以前のコラムでは、栄養素の「吸収」に着目して、吸収効率を上げる栄養素の組み合わせ、オススメの食べ合わせを紹介しました。
>>「アスリートにこそ大事な栄養素は効率よく!栄養素の吸収を考えよう」
今回の記事では栄養素の「働き」特に、エネルギーを作り出すための栄養素の関わりについてお伝えしていきます。
しっかり量は食べているはずなのに、なんだか疲れやすい、エネルギー切れしやすい、と感じている人は、要チェックです!!
エネルギーを作るもとになる3大栄養素
まずは、エネルギー源になる栄養素、いわゆる3大栄養素について確認しておきましょう。
3大栄養素とは「糖質」「たんぱく質」「脂質」のことです。
エネルギーを作ることができると言ったものの、3つの栄養素が同じようにエネルギー源として使われるわけではありません。
たんぱく質はエネルギー源として使われるよりも、筋肉や骨、血液などカラダ作りの材料として使われます。(使われるべき。と言ったほうがいいかもしれませんね。)
糖質と脂質に関しては、どちらもエネルギーを作り出すために使われるのですが、糖質の方が一定の時間で作り出すことができるエネルギーが多いため、運動時には重要視されます。
長時間の運動や有酸素運動では脂質も大事でしょう?と言うのももちろんその通りなのですが、脂質からエネルギーを作り出すためには、糖質から作られるオキサロ酢酸が必要です。
ここでもすでに栄養素の関わりが出てきましたよ!
脂質をエネルギー源として使うためには、糖質からの代謝物質が必要。
3大栄養素からエネルギーを作り出すために必要な栄養素たち
3大栄養素からエネルギーを作り出すとき、私たちの体の中では化学反応が起きています。そしてその化学反応に欠かせない栄養素は上記の3つだけはありません。
このように、ビタミンに関しては、ビタミンB群がエネルギー代謝に関わっています。そして、特に注目したいのがビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の3つです。
エネルギー代謝に関わるビタミンB郡
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出す過程に必須で、糖質からエネルギーを作り出す量が増えるほど、ビタミンB1の必要量も増加します。
白米ばっかり一生懸命食べていても、エネルギーには作り変えられていないかも・・・?
◆ビタミンB1を豊富に含む食材
豚肉、レバー、生ハム、うなぎ、まだい、べにざけ、たらこ、玄米、発芽精米、そば、大豆、小豆、青えんどう
日本人の食事摂取基準2020年版 推奨量:1000kcalあたり0.54mg
ビタミンB2
ビタミンB2は糖質、たんぱく質、脂質、全ての代謝に必要ですが、特に、脂質摂取量が多い選手や脂質からエネルギーを作り出す量が多い選手ほど不足しやすくなると考えられるビタミンです。
質の良い脂質を摂ることはもちろん大切!でも、その脂質を活用できている・・・?
◆ビタミンB2を豊富に含む食材
レバー、うなぎ、まがれい、まいわし、ぶり、さわら、まさば、さんま、牛乳、モロヘイヤ、納豆、卵、アボカド
日本人の食事摂取基準2020年版 推奨量:1000kcalあたり0.6mg
ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質を分解してエネルギーを作るため、分解したアミノ酸から筋肉や血液を作るために必要で、たんぱく質の摂取量が増えるほどビタミンB6の必要量も増加します。
肉や魚に加えて、プロテインも飲んでいる!ビタミンB6は不足しちゃっているかも・・・?
◆ビタミンB6を豊富に含む食材
まぐろ、かつお、しろさけ、まさば、さんま、まいわし、ひらめ、ブリ、レバー、豚肉(ヒレ、もも、かた)、鶏肉(むね、ささみ)、玄米、バナナ
日本人の食事摂取基準2020年版 推奨量:たんぱく質1gあたり0.023mg
まとめ
いかがでしたか?
私は普段から主食のご飯は胚芽付き。
マラソン大会が近づくと、豚肉やレバー、青魚を食べる頻度が増えます。
日々運動をするアスリートの皆さんは、日常的に上記の食材を積極的に取り入れてみてくださいね!
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