主食に関する相談や質問をいただくことが多くあります。
「朝食って、ごはんの方がいいですか?」
「朝はパンの方が食べやすいんですけど、パンでもいいですか?」
などなど。
朝食の主食に何を選ぶか、特に、パンではだめかという相談はとても多いです。
今回は、「ごはん」と「パン」、それぞれの栄養素の特徴を3つのポイントでご紹介いたします!
特徴を理解した上で、選択したり、他のおかずで補うことができると、よりレベルの高い食事になりますよ。
ごはんとパンの栄養価
ごはんとパンそれぞれの栄養価を見てみましょう。
注目したいポイントは「糖質」「脂質」「水分」の3つの栄養素です。
1,糖質
糖質の必要量は練習やトレーニングの強度、体重などによって異なります。
例えば、中〜高強度の持久力プログラムを含む運動を1日1〜3時間行う選手が1日に摂るとよいとされる糖質量は体重1kgあたり6~10g [6〜10g/kg/day]
体重が60kgの場合、体重1kgあたりに摂る糖質量を7gで計算すると、
60(kg)×7(g)=420(g)
1日に必要な糖質量は420g。
例であげた1日450gの糖質量を摂るために、ごはんなら、パンなら、1食でどれだけの量を食べるとよいかと言う視点で考えることが、一つのポイントになります。
2,脂質
ごはん茶碗1膳と同量の糖質を食パンで摂るには6枚切り食パンが2枚必要です。そして、食パン2枚から摂る脂質はごはん茶碗1膳から摂る脂質の10倍。
合わせるおかずでバランスをとることも可能ですが、パンの方が脂質の摂取量が多くなりやすい傾向にあります。
3,水分量
私たちは食事からも水分を補給しています。
1日3食で約1Lと言われていますが、食事量が多くなるアスリートはそれ以上になる場合も多いでしょう。
朝練や午前練習がある場合、飲み物からの水分補給ももちろん重要ですが、食事からの水分補給も脱水や熱中症予防のために重要です。
食事からも水分を補給するという視点で考えることもポイントにしてみてください。
さらに
たんぱく質に着目すると、ごはんに比べ食パンの方が多くたんぱく質を含んでいますが、食パンに含まれるたんぱく質が「カラダにとって有効な働きをする良質なたんぱく質」とは言いきれません。
「良質なたんぱく質」については、別の機会にお伝えいたします!
パンを主食に食べる場合の工夫
栄養価の内訳を見ると、ごはんの方が良いと感じる人は多いと思います。
しかし、海外遠征先でご飯が食べられない状況や、どうしてもパンの方が食べやすいという方もいらっしゃると思います。
そこで、パンを主食にするときのポイントです。
1,フルーツを摂る
糖質の摂取量アップと、水分の摂取量アップにも繋がります。そもそも朝は主食が喉を通りにくいという方にもおすすめです。
2,脂質の摂取量に気を付ける
バター、ベーコンやソーセージ、スクランブルエッグなど、脂質の多い付け合わせに注意しましょう。
バターの代わりにジャムを選択すれば糖質量アップも狙えます。スクランブルエッグの代わりにゆで卵を選ぶのも良いですね。
3,汁物を摂る
水分とミネラルの補給ができます。パンと合うようにコンソメベースで作っても、野菜や豆腐、卵などを加えて具沢山にすると、パン食で不足しがちな野菜やたんぱく源の補給もできます。先ほどお伝えした、「たんぱく質の質」を補うことも期待できます!
4,パンの種類
菓子パンはパンではなく、お菓子です。
朝食を全く食べていなかった選手が、「今日は食べました!!」と報告してくれたので、何を食べたのか聞いてみると、チョコチップメロンパン。
何も食べないよりはいいと言うしかありませんが、アスリートの選択としては・・・。
パンにも様々な種類がありますが、食パン、フランスパン、ロールパン、プレーンベーグルなど、食事パンを選びましょう。
まとめ
いかがでしたか?
アスリートとしてどんな食選択をするかと言う視点は、食に向き合っていく上でとても大切です。
今回は、ごはんとパンで比べてみましたが、ごはんでも雑穀を混ぜているもの、パンでも全粒粉のものなど、選び方はもっと広がります。
栄養的に考えて「なぜそれを選ぶのか」に加え、美味しく食べられると言うことも忘れてはいけない要素です。
好きなものを効果的に食べる工夫でより食事を楽しめるといいですね!