何か食べ物を食べるとき、一口何回噛んでいますか?
よーく噛む人もいれば、飲み込むように食べてしまう人もいるかもしれませんね。
よく噛んで食べると言うことは消化吸収をサポートするためにも大切なことですが、噛む力を養うためにもとても大切なことです。
「噛む力」と「スポーツ」
日本代表候補などに選ばれた際、大きな大会の前には必ず内科、整形外科、歯科のチェックを受けることが義務となっていることからも、歯の健康管理はアスリートにとってとても重要なことと言えます。
虫歯はないかと言うことや、歯並びに問題はないかと言うことももちろん大切ですが、噛む力(咬合力・こうごうりょく)もパフォーマンスと深い関わりがあります。
噛む力が運動時にどのような影響を与えているか、簡単にまとめました。
◆噛みしめと筋力
→ 噛みしめると筋力発揮に有効に作用することがある
例)「ここぞ!」と言うタイミングで噛みしめ、筋力を発揮する
敏性・球技系の競技(サッカー、野球、卓球、バレーボール、バスケットボールなど)
◆噛みしめと関節固定
→ 噛みしめると関節を固定し、体軸を安定化する
例)噛むことによって筋力を発揮し、重心安定を求める。
力・バランス系の競技(ボート、ゴルフ、ライフル射撃など)
全ての競技がどちらかに振り分けられると言うわけではなく、7割以上の競技は俊敏性、力、バランスの総合力が求められます。
なので、スポーツをしている最中ずっと噛みしめていることがいいと言うわけではなく、「ここぞ!」と言うタイミングで噛みしめる力が、プラスに作用することもあると言うことです。
例えば、サッカーであればシュートする瞬間、野球であればバッティングの瞬間に歯を強く噛みしめることがわかっています。
食事で噛む力を育てる
成長期のジュニア時代は特に、よく噛むことを意識して食事をすることが重要です。
加齢に伴い筋力が低下し軟らかい食べものを選ぶようになると、噛む力や飲み込む力がどんどん衰えていきます。子供も同じように、噛む習慣をつけていないと噛む力は発達しません。
柔らかいものを好んで食べていると、噛む力(咀嚼力・そしゃくりょく)が低下し、歯応えのあるものや、硬いものを食べようと思うとすぐに疲れてしまい、また柔らかいものばかりになる・・・と言う悪循環が起こってしまいます。
これでは噛む力を育てることはできません。
噛む力を育てるために注意したい点、意識したい点をそれぞれ挙げます。食事選びや食事中に、取り入れてみてください。
1、注意したい食べ物の選び方、食べ方
◆肉や魚は柔らかいものばかり好む(ひき肉や軟らかい薄切り肉、ほぐしてある魚など)
◆飲み物で流し込むように食べる
◆噛む回数が少ない、早食い
2、噛む力を育てる食べ物の選び方、食べ方
◆噛み応えのある食品を選ぶ(かたまり肉、干物、繊維質の多いもの、弾力のあるもの)
◆食材の切り方を大きめにする
◆野菜や果物を皮付きのまま食べる
◆1口30回を目標によく噛んで食べる(早食いの人は、今よりプラス5回を目標にする)
「ひみこの歯がいーぜ」
8020推進財団がよく噛むことの8つの効果を「ひみこの歯がいーぜ」とキャッチフレーズにしています。
ひ・・・肥満予防
み・・・味覚の発達
こ・・・言葉の発音がはっきり
の・・・脳の発達
は・・・歯の病気を防ぐ
が・・・がんの予防
いー・・・胃腸の働きを促進
ぜ・・・全身の体力向上と全力投球
引用:8020推進財団 噛むことの効用「ひみこの歯がいーぜ」
子供だけでなく、成人アスリートにとっても大切なことです。咀嚼力が衰えてしまわないように気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか?
食事は体に必要なエネルギーや栄養素を取り入れるだけでなく、噛む力も育ててくれます。サプリメントやプロテイン、ゼリー飲料などに頼りすぎには注意して、歯応えのある食材をよく噛む習慣をつけましょう。
アスリートとしての競技人生を終えた後も、いつまでもスポーツを楽しむための力にもなりますよ!