アレルギーのため食べられないものはありますか?
「〇〇には▲▲の栄養素が豊富だから、カラダ作りにオススメです!」
と見たり、聞いたりしても、アレルギーで食べられない場合はその「◯◯」という食品を食べることは諦めるしかありません。でも、▲▲の栄養素を摂ることを諦めるわけにはいかないですよね。
アレルギーの症状が出ないように、アレルギーの原因となる食品を避けるだけではなく、特定の栄養素が不足してしまうのではないかという不安を払拭できるように正しい知識を身につけましょう。
原因食品
食物アレルギーは年齢とともに発症原因となる食品が変化するという性質もありますが、全年齢でみられる原因食品の内訳は表の通りです。
鶏卵・牛乳・小麦で全体の2/3を占めています。特にこの3つの食品に関しては、様々な加工食品に使用されています。
アレルギー物質の表示
アレルゲンが含まれるものを誤って食べてしまうことをできる限り防げるように、加工食品や添加物にはアレルゲン表示がされています。
<特定原材料>
症例数が多く、重篤な症状に至ることが多い7つの食品に表示が義務付けられています。
卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに
<特定原材料に準ずるもの>
「可能な限り表示をするように努めること」とされている食品は21種類です。
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
一方で、飲食店、店頭販売、店内調理するお弁当やパンなどはアレルゲン表示が免除されているため、外食・中食の利用ではより注意が必要となります。
アレルギー原因食品の除去による栄養素の偏りと対策
原因食品として多いものを中心にまとめてみました。
卵
重要な栄養素:たんぱく質
その他の特徴:ビタミンCと食物繊維以外の栄養素を含む
<対策>
肉、魚、大豆製品をバランス良く食べましょう。
特に魚はビタミンDの摂取源として重要です。卵も数少ないビタミンDを含む食品の一つであるため、不足させないように積極的に摂りましょう。
乳
重要な栄養素:カルシウム
その他の特徴:鉄やリンなどのミネラルやビタミンA、ビタミンB2、たんぱく質なども含む
<対策>
カルシウムの摂取を意識しましょう。
木綿豆腐や厚揚げ、高野豆腐、納豆などの大豆製品、小松菜や水菜などの葉物野菜、骨まで食べられる魚の缶詰や小魚などを積極的に摂りましょう。
小麦
重要な栄養素:炭水化物
その他の特徴:パン、めん、シリアルなどの主食となる。エネルギー源の補給のための捕食(加工食品含む)に使用されている場合も多い
<対策>
米中心の食生活にしましょう。
パンやめんを食べる場合には小麦不使用、米粉や玄米粉100%のものを選ぶ、春雨やビーフンなどを活用するようにしましょう。
「除去しすぎ」に注意!
アレルギーの原因食品(アレルゲン)の除去は、最小限に抑えることが重要です。
鶏卵アレルギー=鶏肉アレルギー、牛乳アレルギー=牛肉アレルギー、魚卵アレルギー=鶏卵アレルギーというわけではありません。
落花生アレルギーの人がクルミやアーモンドなど他のナッツ類まで除去する必要はありません。過剰な除去は必要エネルギー量や必要栄養量を満たせない原因となってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
食物アレルギーが滅多に食べないような食品である場合や、他の食品でカバーしやすい食品であれば、栄養バランスの偏りについてあまり神経質になる必要はないでしょう。
自分自身やお子さんのアレルギーに対する対処が正しいかどうか、心配になったら医師や管理栄養士に相談してみてくださいね。