試合前、最高のパフォーマンスが発揮できるようにと食事や補食を工夫している方は多いかと思います。
では、試合後はいかがでしょうか?
1日1試合のみの場合と、1日1試合だけど翌日また試合がある場合、1日に2試合以上ある場合など、様々な状況が考えられるかと思います。
その状況に応じてどのように食事を摂ればいいのか、カラダの状態や試合後のスケジュールと合わせて考えられるようになりましょう!
3つの重要事項
試合当日の食事管理・栄養管理として、もっとも意識しなければならない3つのポイントです。
◆エネルギー補給
◆水分補給
◆衛生管理
特に食中毒や胃腸障害(便秘、下痢、腹部膨満感など)のリスクを回避し、「安全性」を高めるための衛生管理・食品選び・調理法の選択は重要です。
カラダづくりに励み、練習を重ねてきた成果を存分に発揮するために、この3つを最重要事項としてスケジュールに合わせた栄養戦略を立てましょう。
1日1試合のみ
試合開始の時刻にもよりますが、消化吸収にかかる時間を考慮し、食事は試合の3〜4時間前に済ませるようにしましょう。
食事後は消化の良い糖質を中心に試合開始60分前までに適宜補食を取り入れます。
【食事の選択】
◆試合中の胃腸障害のリスクを減らすこと目的で、次の食品は控えると良いでしょう。
必要以上のたんぱく質、高脂肪、食物繊維の多い食品、生魚や調理後時間の経ったものなど食中毒リスクのあるもの、香辛料の多い刺激の強いものなど。
食事内容は食べ慣れたものを中心に組み立てましょう。
【エネルギー補給のための栄養戦略ポイント】
◆試合前のエネルギー補給の目安
重要な糖質の摂取量は試合開始前1〜4時間の間に、1〜4g /kg体重。
(体重60kgであれば、60~240gの糖質を食事と補食から摂取することになります。)
かなり幅がありますが、競技にかかる時間や運動強度に合わせて摂取量を調節しましょう。
◆糖質量を十分に確保する工夫
主食の量を増やすだけでなく、じゃがいもを味噌汁に入れたり、フルーツを食べたりすることで糖質量アップが狙えます。
1日1試合だが、翌日にも試合がある場合
連日試合となる場合は、試合後の食事も重要になります。
がんばったご褒美に、焼肉やステーキ、ハンバーグ、唐揚げなど、大好きなものを食べたくなる気持ちもあるかもしれませんが、翌日の試合に備えて次の内容を意識しましょう。
【食事の戦略】
◆消化に時間がかかり胃腸に負担をかける脂質の多い料理はなるべく避る
◆リカバリーを意識した食事内容
・抗酸化成分豊富な緑黄色野菜やフルーツを取り入れるなど
◆十分な水分補給
試合前の食事同様、十分な糖質が摂取できること、胃腸障害のリスクを高める食品や料理を避けることを意識しましょう。
1日に2試合以上ある場合
1日に2試合以上ある場合は、試合間の栄養戦略が重要になります。
次の試合に備え、前の試合で失ったエネルギーを素早く補給する必要があります。
試合と試合の間が3時間以上あく場合はお弁当を食べても良いでしょう。
お弁当の中身は糖質が十分に摂取でき、消化に時間のかかるものや食中毒のリスクが高まるものは入れないようにしましょう。
【素早いエネルギー補給のための栄養戦略ポイント】
◆試合開始の1時間前までを目安に
次の試合までの空き時間、1時間あたり1~1.2g /kg体重 の糖質摂取ができるように補食を用意しておくと良いでしょう。
小さめのおにぎり、フルーツ、脂質量の少ないパン、和菓子、エネルギーゼリーなど
糖質を十分に補給できる、コンパクトなものがおすすめです。
試合と試合の間で十分な時間を確保できない場合、また、お弁当で十分な糖質が摂取できない場合は参考にしてみてください。
【エネルギー補給の注意点】
試合開始前30~45分程度前に大量の糖質を摂取すると、運動誘発性低血糖を引き起こしてしまうリスクがあることがわかっています。
すべての人が不調を来すわけではありませんが。まとまった量の糖質摂取は1時間前までを目安にしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
試合後はその後のスケジュールやカラダの疲労度に合わせて食事や補食を摂取することを意識してみてくださいね。
参考文献:Burke LM et al(2011)「Carbohydrate for training and competition」 『Journal of Sports Sciences』(29〈suppl 1〉) pp. 17-27.
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