2年前のツイートに「いいね」してくれた人がいて、過去の自分のツイートを改めて見る機会がありました。
そこにはこんなことが書かれてました。
アスリートは健康じゃない
トレーニングであり得ない程の身体的負荷を受け、痛んだ身体を回復させるために凄い量の食事を必要とされる
凄い量の食事で物凄い内臓負荷をしいられる
どう考えても、しっかりとカラダをケアできなければ身体は崩れていく
それぐらい
ケアに気を使わなきゃいけない— 中出寛省(Kansei Nakade) (@KANSEI_N) December 11, 2018
今日は、どうしてこんなツイートをしたのか当時のことを思い出しながら記事にしてみました。
アスリート=健康という周りの目
なんとなく僕の人生を振り返ってみると、サッカーをやっていることで、周りから健康的なイメージを持たれていたような気がします。
体格が良くて、夏になれば色が黒くて、運動をすれば体力もあって。
運動をしていない人から見れば、ルックス的に健康なイメージを持たれることがあるのは、僕だけではないはずです。
一方で、アスリートの現場に入れば、そうでもないことに気がつきます。例えば、アスリートの貧血に関していえば、国立スポーツ科学センターによる発表の中で、貧血アスリートの実態として1995年-2001年の調査で中学生男子(22.7%)女子(8.6%)高校生男子(20.2%)女子(19.5%)大学生男子(14.3%)女子(15.5%)というデータが出ています。
一見すると見た目では捉えることが出来ない体調の変化がアスリートの体で起こっているケースがあります。
また、時には、痛み止めのステロイドなどを日常的に服用していたり、過度なダイエットで食事制限を行うことで、摂食障害などの引き金となるケース、ハードなトレーニングに対して摂取エネルギーが足りず、不調をきたしてしまうケースなど、アスリートにも健康を脅かす様々な要因が潜んでいます。
今にかける想いとのバランス
しかし、スポーツの世界で結果を求めるあまり、その熱量と重圧がネガティブな方へ走ってしまった時に、体を犠牲にしてでも、「今」この瞬間のプレーに命をかけ、危険な状態に陥るケースが多いように感じます。
僕自身、高校3年生の冬の全国高校サッカー選手権予選では、痛み止めの薬と痛み止めの注射を打ちながら試合に出ていました。
幸いなことに、単発的なことも功をそうしたのか、これによる大きな健康被害を受けることはなく、大学進学までの間にしっかりと怪我を治せたことで次のステージに進むことができました。
高校3年生の僕にとって、高校の集大成となる最後の大会は何物にも変えがたい存在であり、まさに「今」さえ良ければどうなっても良いという感覚を持っていました。
学生時代というのは、社会人とは異なり、時間に制限が設けられています。高校生活は3年間、大学生活は4年間です。
泣いても笑っても、この期間で何かが終わります。
僕たち人間は、終わりを意識した時、「今」のありがたみを感じ始めるようになっているようです。
ステージが上がるにつれてケアの重要性は高まる
10代の選手に、未来のために今のあり方を考えろと伝えるのはとても大変なことかもしれませんが、スポーツで結果を出すことで自分の命でもある健康を脅かしていいわけではありません。
健康を害している状態では、良いパフォーマンスを発揮することはできないし、大きな成長を求めることもできません。
本気で、競技に打ち込むのであれば、それに耐えうる食事やケア面への取り組みは必要不可欠だと思います。
怪我をしないために、体調を崩さないために、というネガティブな発想ではなく、うまくなるためにクリアしていかなければならないことは、意外とトレーニング以外の部分にたくさん含まれているように思います。
そのためには、「アスリートは健康ではないし、常に健康が脅かされている。」という意識を頭の片隅に置いておくと良いと思います。
調子が良い時、平凡な日常を送れている時期こそ、次のステージに備えて、体づくり(健康)という守備固めから始めてみるのも良いのではないでしょうか。
ステージが上がっていくに連れて変化を伴います。同じ状態がずーっと続くことはあり得ません。ステージが上がるにつれて体への負荷も自然とあがってくるのだから。
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