サッカーイングランド代表で行っているエクササイズの1つであるケトルベルを持った状態で後ろ歩きをするエクササイズについて解説させていただきます。
プログラムを考えたスポーツトレーナーがどのような意図を持ってこのエクササイズを実行しているのかは正直分かりませんが、個人的な視点としてご紹介させていただきます。
これからご紹介するエクササイズでは、ケトルベルを持って後ろ歩きでゆっくりと進むエクササイズになります。
一見、簡単のように見えますが重いケトルベルを持ってバランスをとりながら歩く事は意外と難しいことです。
このエクササイズで大切なことは、体の中心の部分をぶらさずに後ろへ歩くことで、このことを意識することで、体の中心軸を作るためにとても重要なある3つの筋肉に刺激をかけられ、活性化させることができます。
それらの筋肉とは、広背筋、腸腰筋、そして内転筋群のことです。
まずケトルベルを持つことによって、広背筋という上肢と、体幹部をつなぐ筋肉に負荷をかけることができます。
また、ケトルベルを持って後ろ歩きをすることで、より不安定な状態を作ることができ体幹深部にある腸腰筋と内腿にある内転筋群にも負荷をかけることができます。
これらの3つの筋肉が同時に刺激されることにより、体の中心軸が形成されやすくより安定してさまざまな動作を行えるようになります。
そのため、このエクササイズの目的としては、3つの筋肉に刺激を入れて、中心軸を形成し、バランス、そしてコーディネーション能力を高めることだと考えられます。
それでは、やり方について確認していきます。
エクササイズのやり方
今回のエクササイズでは下の写真のように左の選手は体の中心に、右の選手は右手だけでケトルベルを持つ2通りの持ち方で行なっています。
上記の持ち方をした後に、ゆっくりと後ろ歩きで後ろに下がっていきます。
後ろへ下がる時にはバランスを崩さないように気をつけながら進んでいきます。
右の選手のようなケトルベルの持ち方では、よりバランスが取りにくいので、さらに中心から体がぶれないように気をつけます。
エクササイズのポイント
今回のエクササイズのポイントとしては、上記で紹介した3つの筋肉である広背筋、腸腰筋、そして内転筋群がしっかりと使われていることが大切になります。
この3つの筋肉がしっかりと使われるために以下の3つの注意するポイントについてご紹介していきます。
脇をしめながら、ケトルベルを持つ
まずはケトルベルの持ち方です。ケトルベルを持つときには脇を締めながら背中の筋肉や脇の下の筋肉をしっかりと使えていることが大切です。
また、握り方として中指、薬指、小指を中心としてケトルベルをつかむようにすると脇の下に意識が行きやすく脇を締めやすくなります。
骨盤を立て股関節を捉える
後ろに歩くときに骨盤をしっかり立て、股関節でしっかりと重心を支えられるように股関節の捉えの感覚を持ちます。
このことができていると後ろ歩きで足を後ろにもっていく時に、お腹の深部の位置にある腸腰筋が伸ばされる感覚を持つことができます。
もしこの伸ばされる感覚がない人は、骨盤が正しく立っていなく、股関節の捉えができていないことになります。
(骨盤を立たせようとして腰を反ってしまう場合もあるので気をつけてください。)
足の裏全体を使う
ケトルベルを持ちながら後ろ歩きをしていると、どうしても体が左右にぶれてしまいます。
体が左右にぶれないようにするためには、足の裏の全体をつけて後ろ歩きをすることが重要です。
そうすることで頭の位置も左右に移動しづらく中心軸を保ちやすくなります。
体が左右に触れてしまうときにはどうしても足の裏の外側に重心が移動しやすく、特に足の裏の内側をつくことが難しくなります。
足の裏の外側だけを使って後ろ歩きをすると膝が外側に開き、骨盤がねて、バランスを保つことが難しくなります。
そのため、足の裏、特に内側がしっかりと地面をつくように意識しながら後ろ歩きをすることがとても大切になります。
まとめ
今回はサッカーイングランド代表で行っているエクササイズの1つであるケトルベルを持った状態で後ろ歩きをするエクササイズについて解説させていただきました。
このエクササイズの目的としては、中心軸を形成するために大切な3つの筋肉、広背筋、腸腰筋、内転筋群をしっかりと刺激して様々な動作をブレずにスムーズに行えるようにすることです。
これらの3つの筋肉をしっかりと刺激しながらエクササイズを行うためには、脇をしめながら、ケトルベルを持つこと、骨盤をしっかりと立てて股関節を捉えること、足の裏全体を使う事が大切になります。
どこでも簡単に行えるエクササイズでもあるので、家でエクササイズを行うときや筋トレやスポーツトレーニングの前などのウォーミングアップなどに取り入れてみてください。