サッカー選手にとって、食事やサプリメントなどから栄養素を補給することは、体づくりのみならず、リカバリーやコンディショニングの観点からも非常に重要なポイントであることは多くの選手が理解していると思います。
一方で、栄養補給の事を考慮する意識は高いが、摂取したものが消化され、体内に吸収されるところまで意識している選手は少ないのではないのでしょうか?
食事に対して消化吸収の視点から考えると体づくりやリカバリーへの取り組みの幅が広がり、食事をより生かすことにつながると思います。
そこで、今回は「消化」を意識することでもたらされる2つのメリットをご紹介したいと思います。
参考にしてみてください。
サッカー選手などスポーツ選手に大切な「消化」への意識
消化の重要性に関して2つのメリットがある。本当は他にもあるのだが、今回は2つ。
(1)筋肉をつけて体を大きくする
これまでも、ジュニア選手やユース世代の選手が「食べれない」「大きくならない」などの悩みに対して消化への意識について記事を書いたが、トップアスリートにおいても更なるレベルアップを狙って筋量UPを行うケースがある。
そんなバルクアップの時期には必ず筋肉への負荷と同時に痛めた筋肉を修復するための大量のタンパク質と栄養素が必要になってくる。中でもタンパク質の摂取量がいつも以上に多くなる事で、消化器官への負担が増える。
良く耳にするのは、タンパク質は消化しづらく、消化や内臓に負担がかかるため、ボディビルダーの選手の中には摂取量が増えてくるとプロテインを飲むだけでも分解が上手く出来ずにお腹が張ったり、腸内環境が悪化したりするという選手がいると言う事。
消化や内臓面への負担、腸内環境の悪化はバルクアップしようとするハードトレーニング期において、コンディションの低下を招きやすい要因だと思う。ましてやハードトレーニング期であればなおさら。
必要なタンパク質や栄養素を取り込もうとする行為がコンディションの低下を招く行為になってしまっては本末転倒だと思う。だから、努力次第で負担がケアできるのであれば取り除いておきたい。
そういった意味で、体を変えようとしている時は特に「消化」への意識を持って食事を行うことは大切だと思っている。
(2)リカバリー
前の「体を大きくする」と言う話と少し似ているが、普段のトレーニングやシーズン中のコンディショニングにおいてリカバリーの質は非常に重要な要素を担っていることはアスリートであれば誰しもが理解していると思う。
ただ、このリカバリーに関しても、ストレッチやマッサージなどのクールダウン、食事、メンテナンス、精神的なリフレッシュなど様々な要因が関与して疲労物質が除去され、更に強い体へとリカバリーされていく。
そんな中で欠かせないのが身体的リカバリー(ダメージの修復)に必要な栄養素。
どんなにストレッチしても栄養が足りていなければ痛んだ筋肉や体を修復できないし、体も成長できない。よって、アスリートは絶対的に必要な栄養を得るために食べなければならない。
一方で、シーズン中やハードトレーニングで疲れが溜まり食欲が落ちる時がある。これは僕も経験したことがあるし、経験したことがある選手も多いと思う。食欲は低下するが、栄養は必ずリカバリーに必要であり、無理にでも食べたいところ。
だが、消化能力が低下してる状態で無理に食べれば、内臓疲労の原因や腸内環境の悪化をもたらし、睡眠の質が低下し、疲労が抜けない要因にもなりかねない。食べなければいけないのはわかっているが、食べれない。
そこで大切なのが、普段から「食べられる工夫」をすることだと思っている。
それについてはこちらの記事「食トレで結果を出す考え方」でも触れたが、食べやすい形状のもので食べたり、食べたいと意欲の湧くものを選んだり、消化に良い食べ物を組み合わせたり、酵素サプリメントを活用したり、方法は色々あると思っているが、消化・吸収を考えて様々な工夫をしていくことが大切だと思っている。
食べる行為・食事がゴールにならないように
どうしても、「必要なものを食べる」と言う行為がゴールとなってしまって、その先の消化や吸収に関しては意識が向かないアスリートも多いように感じている。
そんな中で、「体内に吸収されるところまで」を食事のゴールとしてその為には現在の自分のコンディションを考慮してどんな工夫をこらしながら食事をしていくのか?
そんなことを考えられるようになればきっとコンディショニングや体づくりの質が変わるんじゃないか?そんな風に思いながらいつもアスリートの方々と関わらせて頂いてます。
僕が言うことが全てだとは思っていませんが、食事をする際に「消化・吸収」まで考えて食事をする。
決して悪いことではないと思います。
何かヒントになれば嬉しいです。
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