日本人は塩分摂取量が多く、塩分の摂り過ぎは良くない。塩分を摂り過ぎると高血圧になる。といった理由で、健康のために減塩が進められています。
しかし、塩は体にとって必要なものです。
塩分の摂り過ぎは良くないけれど、減塩のし過ぎも良くないです。
塩の種類や塩の必要性を知り、適塩を心掛けられるよう参考にしてみて下さい。
塩は体に必要不可欠
塩分の主成分であるナトリウムは、人が生きていくために欠かせない必須ミネラルの一つです。
ナトリウムは、●血圧の調整 ●体のPHバランスの調整 ●栄養素の吸収や運送 ●筋肉や神経の情報伝達 などといった重要な働きをしています。
しかし、塩にも色々な種類があります。
体に必要な塩を摂取できるよう塩の種類を知ってください。
塩の種類
塩の原料は3種類あります。
●海塩 ●岩塩 ●湖塩
日本で最も多く使われているのは、海の水に含まれている海塩です。
また、これらの原材料から塩にする製法も3種類に分けることが出来ます。
製法による種類は、
●精製塩 ●再加工塩 ●天然塩(自然塩)です。
原料が同じでも製法によって全く違う塩になる
原材料が同じでも、塩は製法によってミネラル分などが大きく変わってきます。
3つの製法を詳しく説明します。
<精製塩>
精製塩は、イオン交換膜法によって化学的に作られた塩のことです。
精製塩はミネラル分(カリウム・カルシウム・マグネシウムなど)は取り除かれ、塩化ナトリウムが99.5%以上にまで精製されています。
<再加工塩>
海水から作られた天日塩とにがりを原料にして作られた塩です。
自然現象ではなく人工的に作られ、加熱した塩はミネラルが失われ辛みが強くなっているため、にがりや再度ミネラルを加えて成分を調整し作られます。
<天然塩>
天然塩には2種類の加工方法があります。
天日塩・・海水を塩田に導入して太陽の熱で水分を蒸発させ、塩分を結晶化させ作られる。
平釜塩・・海水を釜で煮詰め、海水を凝縮、結晶化させて塩を作る。
天然塩と精製塩
天然塩と精製塩の大きな違いは、ミネラルを含んでいるかいないかという点です。
精製塩は、精製される時にミネラル分が除去され、99.5%以上が塩化ナトリウムです。
天然塩は、ミネラル分が残されており、約75%が塩化ナトリウムです。
高血圧などの問題は、ナトリウムだけを単独で過剰に摂取することと言われています。
ナトリウムだけを過剰に摂取した場合に、体内のミネラルバランスが崩れて腎臓がナトリウムを排出することが困難になります。
化学的に作られた精製塩は血圧を上げやすく、天然塩は血圧を一定に保つ働きがあると言われています。
精製塩を使っている人は、天然塩に変えるだけでも血圧が上がりにくいといった効果があるようです。
しかし、天然塩だったらいくら摂っても大丈夫というわけではありませんので、摂取量には注意しましょう。
また、塩化ナトリウムは塩だけでなく、化学調味料にも多く含まれています。
人工的に作られた化学調味料は、様々な食品やお惣菜、レトルト食品、スナック菓子などに使われており、過剰に摂取してしまいやすいので注意が必要です。
減塩の注意点
健康のために減塩がアピールされていますが、減塩商品にも注意が必要です。
健康に気を使っている人や高血圧を気にされている人は、減塩商品を選んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、昔から塩は保存性を高めるために使われ、防腐剤の役割もしています。その塩を減塩してしまうと、保存性が悪くなり、添加物が必要になります。また、塩の旨味を補うために化学調味料も必要になります。さらには、色が悪くなるので着色料が必要になったりと、様々な食品添加物の力が必要になってしまいます。
減塩商品だから良いと思うのではなく、減塩する代わりに食品添加物や化学調味料が追加された商品でないか原材料までしっかり確認することは、健康のため、体のために大切なことです。
減塩と適塩
ミネラルが残っていない精製塩や化学調味料などは減塩する必要がありますが、海水から天日・平釜法で作られた天然塩は減塩することばかりではなく、しっかり適塩を心掛けたいですね。
日本人に馴染みやすく、美味しくて身体に良い塩は、海水100%で作られたミネラルバランスが良い天然塩です。味も塩辛さだけでなく、甘みや旨味を感じられます。
塩分が不足して起こる症状で一番身近なものは脱水症状です。
また、過剰な減塩によっては新陳代謝の低下や、冷えの原因にもなると言われています。
それぞれの体調や食生活によって必要な塩分量は違ってきますが、過剰な減塩によって体調を悪くしている人もいます。
塩は食材の味を引き立たせる効果もあり、昔ながらの製法で作られる味噌や醤油、梅干しなどにも欠かせないものです。
化学調味料や精製塩の摂取は控え、本物の天然塩をしっかり使い、適塩を心掛けましょう。
アスリートコレクション編集部
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