今回はイングランド代表選手が実践している「ぶら下がりトレーニング」についての効果と狙いを考察していきます。
どんな効果が考えられるのか?
この動画で見れるように、今回のトレーニングは筋力強化というよりも柔軟性の向上や体の使い方を良くするために行われていると考えられます。
脚を大きく回して動かすことで、主に胸郭の柔軟性の向上が期待できます。そのため、脚だけを回すのではなく骨盤、そしてその上の腹部、胸部あたりまで動かすように意識するとより効果的に柔軟性をアップできます。
柔軟性と共に養いたい能力
一般的には柔軟性をアップさせるためにはストレッチをすれば良いと考えられることが多いですが、実は筋肉を正しく使うことで柔軟性がアップしていきます。
正しく筋肉を使うとは?
この正しく筋肉を使うというのはどういうことかというと、一部の筋肉だけに負担がかかるような体の使い方をするのではなく、全体的に負担を分散されるように体全体で力を使うことを言います。
このようなことを体のつながりを作ると私はよく口にするのですが、体のつながりを作っていくことで柔軟性が向上して、体の使い方もうまくなり怪我をしにくかったり、パフォーマンスの向上にも影響していくと考えています。
ぶら下がりトレーニングで求められる繋がりとは?
そして、実際にぶら下がる時に大事になってくる体のつながりは腕から腹部、そして背部までです。
感覚としては腕から脇の下を通って腹部、そして背部間で引っ張られるようなテンションを感じることができていればオッケーです。
また、脚を左右に大きく回す際には上記のつながり(テンション)を意識しながら行なっていきます。
そのため、早く回すというよりもゆっくりと体のどこを使っているのかを感じながら回していくとより効果的です。
このように腕から体幹部までのつながりを意識できるようになると今度は腕を使った動作をする時に力を体幹部から腕まで伝えやすくなります。
それでは実際のトレーニング方法をみていきましょう。
トレーニング方法
まず、はじめに下の写真のようにぶら下がります。
そして、そこから両足を円を描くように大きく左右に回していきます。
ポイント
上記でもポイントに触れましたが、主にこのトレーニングでは以下の3つのポイントを抑えてみてください。
1)腕から腹部・背部までのつながりを作る
つながりを作るというのは、手先から腕、肩、そして脇の下を通って背中や腹部に筋肉のテンションを感じることになります。
うまくつながりを作れない場合は、このテンションが肩だけに強く感じたりする場合で、すぐに肩が疲れてしまいます。うまくつながりができているとこの疲れ具合も分散されて、肩だけに負担がくることはなく手先から胴体までバランス良く使われるため、疲れにくくなります。
2)脚をできるだけ大きく動かす
1のポイントができていることが前提で、脚を大きく動かしていきます。
そのことで脚の筋肉だけを使うことなく、胸郭あたりからしっかりと筋肉が使われている感覚が出てきます。
そして、できるだけ大きく動かすことで、各関節にある小さな筋肉が働き、胸郭から脚にかけての可動域の拡大が期待できます。
3)鳩尾から脚を持ち上げる意識をもつ
1のポイントができていることで、お腹や背中にテンションを感じることができ、そのテンションを使って脚を回していくことで、鳩尾から脚を持ち上げる意識が芽生えてきます。
このことで、手先から脚までのつながりを作ることができるようになり、より体全体を使って一つの動作を作る癖ができるようになります。
まとめ
このようなぶら下がりのトレーニングで、簡単なように見えて実は真剣にやるととても深く効果的に体を使えるようになります。一流の選手は、これを無意識で行うことができていることが多いです。
そのため同じトレーニングをしてても、選手によってトレーニング効果の差が出てきてしまうことがあるので、他の人よりも差をつけたい人は自分の体に向き合ってトレーニングすることが大切になります。
是非参考にしてみてください。
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※今回ご紹介した動画は「England」様の貴重なyoutube作品です。