今回もイングランド代表で行われているトレーニングの一つである水平ジャンプのエクササイズを紹介します。
このエクササイズでは、サッカーのヘディングの競り合いに欠かせないジャンプ力の強化に繋がるだけでなく、この動画のように決められた距離を何回のジャンプで届くかと他の人と競い合う事で闘争心に火がつき、最大限のパワーを利用して行わせる事ができます。
【ヘディングの競り合いを強化しよう!】ジャンプ力向上トレーニング
この水平ジャンプのトレーニング効果としては以下の研究報告もされています。
垂直方向へのプライメトリックトレーニングと水平方向へのプライメトリックトレーニングの効果を比較した研究があり、両方向のトレーニングで同じような垂直方向のパフォーマンスの向上が見られましたが、水平方向のパフォーマンスに関しては、水平方向へのプライメトリックトレーニングがより優れていたと示されています。
この研究から分かるように水平ジャンプのようなトレーニングは、水平方向のみならず垂直方向のジャンプのパフォーマンスの向上にもつながる可能性がある事が考えられます。
つまり、この動画のような水平ジャンプトレーニングでもヘディングを競り合うような垂直方向へのジャンプパフォーマンスの向上も期待できるという事です。
トレーニングの方法
立った姿勢から素早くスクワット姿勢になり、腕を大きく振りながら勢いをつけてできるだけ遠くにジャンプします。
ジャンプして地面からあぢが離れてからは、できる限り体を反ります。
そして、着地に向けて今度は体を丸めて衝撃を吸収します。
ポイント
水平ジャンプの時のポイントを3つ紹介します。
(1)腕の振りを利用してジャンプする
ジャンプをするときは脚の力が重要だと思われますが、実は全身をうまく使えている事が重要になります。動画で見ても分かるとおり、ジャンプの飛距離が高い選手は、腕の振りも大きいのが特徴的です。また、腕を大きく上に振った勢いを利用して胴体へ力を伝えています。
(2)股関節を使って飛ぶ
股関節周りのはパワーが強い筋肉が存在するため脚の主軸として股関節を使う事でよりパワフルに飛ぶ事が可能になります。股関節を主軸にジャンプできるためには、スクワットでお尻と腿の内側の筋肉がしっかりと使えている事が重要です。反対に腿の前やふくらはぎばっかりに負担がきてしまう人はうまく股関節を主軸に使えてない事が予想できます。
(3)胴体の反る、丸める動きを意識する
腕と脚から生まれたパワーがちょうど鳩尾あたりに集まって胴体の反る動きを作ります。この連動がうまくいけば、しっかりと胸を反る事ができ深部にある腸腰筋をしっかりと動員させながらジャンプをする事ができます。また、着地する寸前では、逆に胴体を丸める事で手足を着地のための衝撃吸収の準備として誘導する事ができます。このような胴体の動きにより、ジャンプするときはパワフルに、着地するときは優しく動作にうつれるようになります。
まとめ
今回の記事では水平方向へのジャンプトレーニングの解説をしてきました。
水平方向のジャンプトレーニングを行っても水平方向以外のジャンプの能力も向上する可能性があり、様々なジャンプ能力を向上させるいいトレーニングである事が考えられます。
ジャンプをより効率的に行うためには体の連動をしっかりと使う事がとても大切で、腕や脚、胴体の使い方がキーになってきます。
是非参考にしてみてください!
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<参考文献>
1)Moran J, Ramirez-Campillo R, Liew B, Chaabene H, Behm DG, García-Hermoso A, Izquierdo M, Granacher U. Effects of Vertically and Horizontally Orientated Plyometric Training on Physical Performance: A Meta-analytical Comparison. Sports Med. 2021 Jan;51(1):65-79. doi: 10.1007/s40279-020-01340-6. PMID: 32897526.
※今回ご紹介した動画は「England」様の貴重なyoutube作品です。