今回はサッカーイングランド代表でも行っているフォームローラーを使った背中のセルフマッサージについての解説と狙いをご紹介させていただきます。
フォームローラーについて文献を見てみると、フォームローラーを使った筋膜のリリース(マッサージ)の効果について調べられたいくつかの文献があります。
そして、その中で関節可動域の改善、激しいトレーニング後の筋肉のリカバリーの有無、そして、筋パフォーマンスへの影響に対するフォームローラーの効果が示された計14つの文献をまとめたシステマティックレビューがありました。
このシステマティックレビューの結果としては、
●関節可動域の短期的な改善がみられる
●激しい運動後の筋パフォーマンスの低下を抑え、筋肉痛を軽減させる
●フォームローラーを運動前に使用しても筋パフォーマンスの低下に影響がない
の3つの効果の可能性があることを示しています。
私自身の考えとしても、現時点では上記の結果から分かる通り、フォームローラーによるセルフマッサージは体をケアする上で効果的である可能性があり、どのスポーツの選手にも介入できる余地があると考えています。
それでは実際に、今回紹介するフォームローラーによるセルフマッサージについてやり方を見ていきます。
セルフマッサージのやり方
そして、フォームローラーに当たっている上半身の部分を広範囲刺激が入るように体を頭と足方向に動かしていきます。
さらにフォームローラーの丸みを使って上半身、特に胸郭あたりの柔軟性が出るように胸を丸めたり広げたりする動作を行っていきます。
エクササイズのポイント
気持ちが良い程度にマッサージをする
筋肉を入れ、まずこのポイントとして、無理矢理強く痛みがある状態で刺激を入れるのではなく、気持ちが良い程度に刺激が入るようにすることが大切です。
痛みを与えてしまうと体の防御反応が働き反対に筋肉の緊張を引き起こしてしまう恐れがあります。
そのためフォームローラーを使う時も体がリラックスできる気持ち程度の強さでマッサージをしていくことがとても大切になります。
全身をできる限りリラックスさせる
フォームローラーを当てている部位だけではなく、体全身を出来る限りリラックスさせることも大切です。
体全身をリラックスさせるためには、体の各部位に意識を向け緊張筋がないかどうかを内観していきます。
またそして緊張がある部位がなかなかリラックスできない場合は、深呼吸をして息を吐くタイミングと同時にその筋肉を意識していくイメージを持ちながらリラックスさせていきます。
背骨のイメージを持つ
フォームローラーで背中の筋肉を緩めるときには、筋肉を一生懸命緩めようと筋肉に対してだけ意識を向けるのではなく、背骨に対しての意識を持つことも大切になります。
フォームローラーが背中に当たるときに背骨にも当たる感覚があるので背骨が1本1分触れていると言うことを認識して、ホームローラーを少しずつずらしていくようにしていきます。
そして背骨に対する意識や感覚が鮮明になってくると背中の筋肉も緩みやすくなってきます。
まとめ
今回はサッカーイングランド代表でも行っているフォームローラーを使った背中のセルフマッサージについての解説と狙いをご紹介させていただきました。
フォームローラーを使用したセルフマッサージについての効果については、文献によると『関節可動域の短期的な改善がみられる、激しい運動後の筋パフォーマンスの低下を抑え、筋肉痛を軽減させる、フォームローラーを運動前に使用しても筋パフォーマンスの低下に影響がない』ことが示されています。
フォームローラーを使用する際には、気持ちが良い程度の刺激を与えて、体全体がリラックスできるように意識を向け受けることが大切になります。
また、背中の筋肉を緩めるときにはフォームローラーで刺激するポイントとして筋肉だけではなく背骨にも刺激が入るようにすることで背中の筋肉を緩めやすくすることができます。
現在スポーツ現場ではフォームローラーを使用している選手がすでに大勢います。
もちろん人によっては合う合わないということも出てくるので、セルフケアの一つの選択肢としてまだ取り入れてない人はチャレンジしてみて、取り入れるかどうかを決めてみてください。