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— Lionesses (@Lionesses) June 17, 2019
先日、田中選手がスペインでの女子選手のトレーニング事情を書いてくださいました。
今回はイングランドにおける女子選手のトレーニング事情を紹介します。
私は女子大学生の監督をし、そこから女子選手のパフォーマンスアップ、特にウエイトを用いたトレーニングがどのように使われているのかを見てきました。
よくフィジカルの話になると、「人種によって骨格が違うから」「日本人は元々小さい」というのを耳にします。しかしイギリス人の間でも骨格はまちまちで、フィジカルパフォーマンスの差は日常的にトレーニングをしているかどうか、というところに気がつきました。
It's the small things that make the difference 📊 pic.twitter.com/ixLVrkwigx
— Lionesses (@Lionesses) October 1, 2019
個人に合ったトレーニングは必要ですが、日本人も日常的にトレーニングに取り組んで、フィジカルにおいて海外選手とも互角に渡り合えるようになりましょう!
今回の記事はなぜウエイトトレーニングをするかということを、傷害予防とパフォーマンスアップの2つの視点から書いていきます。
2つの視点
(1)傷害予防
適切なウエイトトレーニングは怪我を予防してくれることは広く知られています。
これは男子も女子も同じです。
しかし、女子選手は男子と骨格が違っており、女子選手特有の怪我も起こり得ます。
女子選手は膝が内側に入りやすい(つま先と膝が同じ方向を向いていない)ことから膝を負傷することが多いと報告されています。特に着地の際に多いようです。
つま先と膝を同じ方向に向ける習慣は練習前のウォームアップでも意識づけることはできますし、多くのチームで見受けられますが、ウエイトトレーニングでも改善することができます。
正しいフォームでスクワットやランジ、デッドリフトをやることでサッカー特有の膝、ハムストリングの怪我を防げることが期待できます!
(2)パフォーマンスアップ

参照「Lionesses」twitter
2019年女子サッカーワールドカップで、なでしこジャパンはベスト16で残念ながらオランダに負けてしまいました。
敗退後、日本のフィジカル不足、特にパワーとスピードに大きな差があるという記事を多く目にしました。もちろんフィジカルだけが敗因ではありませんが、日本と欧州勢にはフィジカルで差があったと認めなければいけません。
イングランドではS&C(ストレングス&コンディショニング)の重要性は広く認知されているので、イングランドの女子選手は日常的にウエイトトレーニングを行っています。
もちろん日頃からダッシュや激しいフィジカルコンタクトによってもパワーやスピードを向上することもできますが、安全に、効率よく向上するにはウエイトトレーニングが効果的でしょう。
まとめ
今回は女子選手のウエイトトレーニングについて傷害予防とパフォーマンスアップの2つの視点から書いていきました。ウエイトトレーニングを行うメリットを少しでも理解していただけたらありがたいです。
しかしサッカーはパワーとスピードのスポーツではありません。
日本人選手はスタミナやアジリティを高く評価されています。そこにパワーとスピードを加えることで、フィジカルにおいて欧州勢やアメリカとも互角に戦えるのではないかと感じています。

参照「Lionesses」twitter
今から取り組んでも約8か月後に迫ったオリンピックでは大きな効果は期待できないかもしれませんが、4年後には必ず大きな変化として現れます。ぜひ取り組んでみてください!
ただ、ウエイトトレーニングはやり方を間違えると怪我やパフォーマンスダウンにも繋がります。適切なトレーニングデザインやプログラムを組んでもらって指導してもらうためにも専門家の方に相談することをおすすめします。
※今回ご紹介した動画は「Lionesses」様の貴重なTwitter作品です。

日本で主にジュニア年代を3年コーチをした後、本格的にコーチングを学ぶためにイングランドへ。 現在イングランド4年目。キッズやジュニア、ジュニアユースのコーチや女子大学生の監督など幅広いカテゴリーを経験。