今回は長友選手の背筋のエクササイズについて解説してきます。
以前、レヴァンドフスキ選手のリハビリのメニューの中の一つに似たようなエクササイズの解説をしていますので、興味がある人はご覧ください。
レヴァンドフスキ選手のリハビリのメニューの記事
実は今回の長友選手のエクササイズは、難易度が高いものとなっています。体全体の筋肉がしっかりと使えていないと間違ったやり方でエクササイズをしてしまい、腰を痛めたり、股関節を硬くしてしまう恐れがあります。そのため、この記事ではそのようなことが起きないように、身体の使い方の「マメ知識」とこのエクササイズのポイントについて紹介していきます。
身体の使い方のマメ知識
怪我がしにくく、パフォーマンスを高めるための体の使い方の大前提として、体の各関節をうまく使っていくことが大切になります。関節の構造の特徴から考えられることとして、動かすことを中心とした関節(モビリティ関節)と固定させることを中心とした関節(スタビリティ関節)に分けることができます。
体の中心にある各関節を、頭から足までみていくと、頸椎、胸椎、腰椎、股関節、膝関節、足関節があります。そして、その中でもモビリティ関節というのは、胸椎、股関節、足関節の3つになり、スタビリティ関節というのが、残りの頸椎、腰椎、膝関節の3つの関節です。
もうすでに気付いている人もいるかもしれませんが、モビリティ関節とスタビリティ関節というのは、以下のように交互に位置しています。
頸椎(スタビリティ)→胸椎(モビリティ)→腰椎(スタビリティ)→股関節(モビリティ)→膝関節(スタビリティ)→足関節(モビリティ)
日常生活の動作からスポーツ動作にかけて、全ての人間の動作では、このモビリティ関節とスタビリティ関節を性質通りに使うことで、体に負担が少なく効率的な動きを作ることが可能になります。反対にスタビリティ関節なのにその関節を中心に動かしてしまうようなことがあればその関節を痛めたり、その関節と隣に位置している関節の動きを悪くさせてしまう恐れがあります。
例えばですが、階段を昇る時に、スタビリティ関節である膝を使って昇ってしまうと膝を痛める原因となってしまうので、モビリティ関節である股関節を中心に使うことが大切になります。また、上半身を反るような動きをする場合には、スタビリティ関節の腰から反るのではなく、モビリティ関節の胸椎から反れるようになると腰を痛めることなく、上半身を反れるようになります。
次に今回のエクササイズのポイントを解説する前にやり方を説明していきます。
エクササイズのやり方
以下の写真のように、体全体を反らした姿勢を取ります。
上の写真の姿勢から、腕の高さを保ったまま手を前方にもっていきます。そして、再度、初めの姿勢まで手を戻していき、それを繰り返していきます。
背筋のエクササイズのポイント
今回のこの背筋のエクササイズのポイントは、上記でお伝えしたモビリティ関節とスタビリティ関節をしっかりと使い分けることです。
このエクササイズでは、地面に対してうつ伏せになって体全体を反らしていきますが、この時にモビリティ関節(胸椎、股関節、足関節)を中心に体全体を反らしていきます。そのため、これらのモビリティ関節の伸展筋群がしっかりと使われていることが重要になります。
実際にこのエクササイズの姿勢をとってもらうとわかりますが、多くの人は腰の筋肉を中心に使ってこの姿勢をキープしようとします。しかし、これは間違ったやり方であり、体を痛めてしまう恐れがあります。そのため、この姿勢を正しくキープするには、背中の筋肉とお尻の筋肉、そして脹脛(ふくらはぎ)の筋肉を使っていることが必要です。
この姿勢のキープの仕方ができるようになるには、筋肉に対しての意識の仕方でも改善することがありますが、一番重要なことはモビリティ関節の柔軟性です。つまり、このエクササイズに関していえば、胸椎、股関節、足関節の伸展の可動域です。
うまくモビリティ関節でこの姿勢をキープできない人は、まずは、これらの関節の柔軟性を向上させて、使うと良い筋肉がしっかりと収縮できるように体の使い方を練習してみてください。
まとめ
今回は長友選手の背筋のエクササイズについて解説していきました。
このエクササイズは難易度が高く、意識するといいポイントというのはたくさんあるのですが、今回はモビリティとスタビリティ関節の観点からそのポイントについてお伝えしてきました。
この考えは、このエクササイズ以外のものにも応用できる考え方であるので、是非理解して体のことについての知識を高めてみてください。
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