今回は、前回と同様に長友塾で行われていたトレーニングの一つである足上げのエクササイズについて解説していきます。
前回の長友塾記事
日本際表「長友塾」での股関節の使い方解説!
今回のエクササイズは、以前に紹介した富安選手の時のエクササイズとほぼ同様の動きになります。しかし、今回は冨安選手のエクササイズは少し違った目的で行われていることに注目する必要があります。
【スプリントスピードの加速を養おう!】日本代表冨安健洋選手の室内トレーニング
エクササイズの目的
この長友塾で行われている足上げのエクササイズの目的は、骨盤周りの筋肉を活性化させ、体の中心に近い深部にある筋肉の連動を高めるためです。
このエクササイズの目的を達成するためには、骨盤を立たせて、骨盤周りの安定性を高め、その状態で足を上げる動きができることが必須になります。骨盤を立たせて骨盤周りの安定性を高めるために、地面についている軸脚の臀筋群と内転筋群をしっかりと収縮させることが大切です。また、常に上半身をまっすぐに保ち、足をあげた時に体全体が丸くならないことも重要なポイントの一つです。
これらができることにより、足上げ時に本来使われて欲しい腸腰筋も使われるようになってきます。そして、この動作を完璧に行うことができれば、体の中心に近い深部にある筋肉の連動を高めることがこのエクササイズで可能になります。
それでは実際にやり方ともう少し踏み込んだこのエクササイズの意識するポイントを見ていきましょう。
エクササイズのやり方
下の写真のように、寄りかかるような形で壁に手を当てます。
上記の姿勢から下の写真のように、膝をできるだけ高くあげます。
このシンプルな動きを繰り返し行なっていきます。
意識する3つのポイント
この足上げのエクササイズの意識するポイントについて、3つ紹介していきます。
(1)骨盤を立てて、お尻を使う
このエクササイズを行うときは骨盤を立てて行うことがとても重要になります。骨盤が寝てしまうと、体の中心に近い筋肉である内転筋群や腸腰筋、多裂筋などが使われなくなり、アウター筋に頼った体の使い方をしてしまいます。このエクササイズで骨盤を立てるには、軸足のお尻と腿の内側、そして仙骨にある筋肉をしっかりと意識して使うことが大切です。この3つの部位に意識をできると骨盤が寝ずに立った状態をキープすることができます。
(2)胸を持ち上げて脇の下で壁を押す
このエクササイズで壁を押しているのにも理由があります。両手の掌で壁を押すことで、脇の下の筋肉である前鋸筋をしっかりと意識して使えるようになります。また、胸を持ち上げる意識を同時に持つと、背中の筋肉である広背筋にも刺激が入り、結果として骨盤を立たせるためにも役に立ちます。壁を押す時に注意が必要なのは、体を丸くしながら押さないことです。できれば、皆さんは前に向けたまま頭を持ち上げるイメージで行えると尚良くなります。
(3)下腹部で足を持ち上げる
骨盤が立ち、上半身もしっかりとまっすぐ保てている姿勢を作れると、足を持ち上げる時に下腹部を使って持ち上げられるようになります。この時にメインに使われる筋肉は腸腰筋で、このエクササイズをしっかりとした姿勢でできていると腸腰筋を活性化することが可能になります。また、腸腰筋は連動を考えた場合に内転筋群と同時に使えることが大切であるため、足を上げる時に内転筋に対しての意識も高めるとより腸腰筋が使いやすくなります。
まとめ
今回は、長友塾で行われている足上げのエクササイズについて解説してきました。
このエクササイズは簡単なように見えて実は奥が深く、スポーツパフォーマンスを向上させるための要素が多く含まれています。
そのため、この動作をしてもらうだけでも選手の体の使い方の質がわかるくらい大切な動きになります。
今回紹介した意識するポイントをしっかりと理解してもらえると、他の動作を行なった時でもより質の高い動きができるようになるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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※今回ご紹介した動画は「JFATV」様の貴重なyoutube作品です。