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【アスリートを悩ませる下痢】原因と対策
2020.05.25(更新日2021.05.06)


 

お腹の不調によって、ベストパフォーマンスを発揮できなくなる・・・

そんな状況に陥らないように何かできる事はないか。

前回は「便秘」の予防と対策についてお伝えしました。

前回の記事はこちら >>アスリートが悩む便秘

 

今回は下痢をしやすい人、お腹がゆるみやすい人向けに、下痢の原因とその対策についてお伝えしていきます。

 

そもそも下痢とは

固形状の保てない便を排泄する症状の総称であり、下痢便には性状によって軟便、泥状便、水様便などがあります。

必ずしも区別できない場合もありますが、下記のように分類できます。

 

さらに、下痢をすると脱水や電解質喪失(ナトリウムやカリウム、マグネシウム、塩化物、重炭酸塩などの電解質が血液中から失われること)が起こり

◆筋力が低下したようなだるさや血圧低下

◆不整脈などの重篤な障害

を引き起こしてしまうこともあります。

こうなってしまうとスポーツどころではありません。食事も水分も取れないような状態であれば、速やかに受診しましょう。

 

下痢の原因

下痢の原因は様々です。

また、原因によって対処法が異なるため、「とりあえず下痢止め」のような安易な行動は避けましょう。

 

 

下痢の予防策

ここからは、予防策の紹介です。

普段の食事の準備や遠征先で、予防対策となるポイントをご紹介します。

 

【1】 食中毒予防

衛生管理を徹底しましょう。

◆手指の清潔を保って食事をする

石鹸を使って十分に手を洗う。

車内で食事をするなど、状況によっては除菌用ウエットティッシュや除菌用アルコールジェルなどを活用するのも良いでしょう。

 

お弁当の管理食中毒予防の大原則

菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」!

・弁当箱や仕切りに使うカップは清潔なものを使用しましょう。

・詰めるものは、中まで十分に加熱し、しっかり冷ましおかずの汁気をよく切る野菜や果物の水分を十分に切るなど、水分を減らす工夫をして詰めましょう。

・お弁当は調理してから食べるまでに時間が空いてしまう場合が多いです。持ち運びの際は保冷剤や保冷バックで十分に冷やし、可能であれば冷蔵庫や涼しい場所で保管しましょう。

もし、温度管理が難しいことが事前に分かっているのであれば、食べる直前にコンビニで調達、常温保存可能な補助食品を活用するなどの対応も必要です。

農林水産省のサイト内で、食中毒を防ぐためのお弁当管理について紹介されていますので、こちらも参考にしてみてください。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/lunchbox.html

 

◆リスク回避

食中毒のリスクが高い食品、料理の摂取を避けましょう。

特に、今は絶対に食中毒になるわけにはいかない!!という試合前などは徹底してください。

【特にリスクが高く、避けた方が良いもの】

・十分に加熱されていない肉(レアのステーキ、鶏刺し、タタキなど)

・生の魚や貝類

・十分に洗われているか・衛生上問題ない水で洗われているか分からない生野菜や果物

 

【2】 合わない食品を把握し、避ける

◆おなか記録をつける

近年、海外のアスリートが実践するなど注目度が上がっている食事法に「低FODMAP」があります。

発酵性の高い糖類を含む食品を避ける食事法ですが、詳しくはまた別の記事で紹介します。アスリートは食事量が多いために、食事(食品)からの影響を受けやすいと言えますが、「特定の食品を避ける」ためには自分に合わない食品が何かを把握する必要があります。

ただし、この特定には数カ月を要する場合もあるので、下痢で悩まされることが多い方は、食事記録と合わせて「おなか記録」をつけることをお勧めします。

 

まとめ

下痢は便秘以上にパフォーマンス低下を招きます。また、下痢の原因によってはスポーツ活動に参加できなくなってしまいます。

日頃からの衛生管理や、食事と体調を合わせてみているかなどの自己管理が大切です。
気をつけていても解消しない下痢に悩まされているようであれば、公認スポーツ栄養士や管理栄養士、消化器内科の医師やスポーツドクターなどに相談してみてくださいね。

 

■関連記事はこちら

【アスリートが悩む便秘】原因と対策

【アスリートを悩ませるおなかのハリ】原因と対策

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乳井 優生

2015年管理栄養士免許取得/株式会社東急スポーツオアシス/2016年株式会社イースウェア(料理教室主催、スポーツ栄養講習、栄養相談など)/2017年市立砺波総合病院(公認スポーツ栄養士養成課程受講開始)/2019年10月公認スポーツ栄養士登録/2020年〜フリーランスとして活動。レシピ執筆、記事監修、コラム執筆、スポーツ栄養講習、スポーツ栄養マネジメント、カウンセリングなどを行う。
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