「F O D M A P(フォドマップ)」という言葉を見たこと、聞いたことはありますか?
日本ではまだまだ馴染みのない言葉かなと思います。
結論から言うと、特定の腸疾患の症状のある患者の「食事療法」の考え方です。
アスリートの皆さんも、「腸活」「腸トレ」に取り組む時に、知っておいて損のない知識になると思いますので、ご紹介いたします!
特に、おなかの不調で悩んでいる選手は要チェックです!
F O D M A Pとは
まず、F O D M A Pとは何か理解していきましょう。
F(Fermentable):発酵性の
O(Oligosaccharides):オリゴ糖(豆類、小麦、玉ねぎ、にんにく など)
D(Disaccharides):二糖類(牛乳、ヨーグルト、クリームチーズ、アイスクリームなど)
M(Monosaccharides):単糖類(果糖/はちみつ、果物など)
and
P(Polyols):ポリオール(キシリトールなどの人工甘味料、きのこ類)
発酵性の4つの種類の糖質を含む食品の群のことを言います。
善玉菌の餌となるオリゴ糖やプロバイオティクス食品であるヨーグルト、食物繊維豊富なきのこや果物など、一般的には腸内環境を整えるために「良い」とされている食品も含みます。
そして、「低F O D M A P食」は、上記に該当する食品を避けた食事法のことを言います。
ここでしっかりと理解しておいていただきたいのは、すべての人がF O D M A Pを含む食品を避けることで、パフォーマンスが上がる、お腹の調子が良くなるわけではない。と言うことです。
普段の食生活の中で腸内環境を乱してしまう要素が思い当たらないにもかかわらず、過敏性腸症候群や運動誘発性胃腸症候群に該当する何らかの症状に日々悩まされている人こそが試す価値ありの食事法です。
F O D M A P食がお腹の不調を招いてしまう理由
では、なぜF O D M A P食がおなかの不調を招いてしまうのか、簡単に解説します。
F O D M A P食を食べると、他の食べ物同様、消化吸収されながら小腸や大腸まで進みます。
しかし、F O D M A Pが小腸で吸収しきれないまま残ってしまうと、消化管内に水分を引き込んでしまったり、大腸で腸内細菌により発酵されてガスを活性させてしまったりということが起こります。
その結果、おなかのハリや痛み、下痢、便秘などに繋がってしまうと考えられています。
低F O D M A P食事法
実践の流れを簡単にまとめました。
【1】F O D M A Pを制限する期間(2〜4週間)
この期間はF O D M A P食として群類される食品を制限します。
おなかの調子や消化器症状に変化があるかどうか観察します。
【2】F O D M A Pを制限しつつ、特定のF O D M A P食品を食べてみる(6〜8週)
この期間でどのF O D M A Pまたは特定の食品が症状の原因となっていたのかを見つけます。
食事記録とともにおなか記録をつけます。
【3】原因のF O D M A Pまたは特定の食品を制限しつつ、バランスの良い食事を継続
F O D M A P食全てを制限する【1】の期間を必要以上に続けることは、栄養不足や体重減少を招いてしまう可能性があります。
実践する場合には、体重や体調の管理を十分に行いながら進めていく必要があります。
途中で体調が悪化したり、体重が落ちすぎてしまったりした場合には、低F O D M A P食をやめて元の食生活に戻してください。
そして、専門の医師や公認スポーツ栄養士、管理栄養士に相談することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
どんな食事法にも当てはまることですが、「流行っているから」「あの選手がやっているから」と安易に取り組むのではなく、自分の課題、悩みの解決のために、自分に必要な食事法(食事療法)を取り入れてパフォーマンスアップに繋げていきましょう!!