お腹の不調によって、ベストパフォーマンスを発揮できなくなる・・・そんな状況に陥らないように何かできる事はないか?
今回はおなかのハリ(腹部膨満感)によって不快感を感じ、練習やプレーに集中できなくなってしまう人向けに、おなかのハリの原因とその対策についてお伝えしていきます。
おなかのハリ(腹部膨満感)ってどんな状況?
腹部膨満とは、本人が腹部の膨らみや張る感じを自覚する主観的な症状のことを言います。
疾患によって引き起こされる場合もありますが、腹部膨満の原因として最も多いのは「鼓腸」で、消化管の中に気体がたくさん送り込まれてしまったり、ガス貯留が異常に増加してしまったりすることによって起こります。
お腹が張って苦しいと感じたり、時には腹部の痛みや、吐き気などを催したりする場合もあります。
おなかが張る原因
腸管内に気体が増加してしまう原因としては次の4つが原因として考えられます。
1.腸管内のガスの吸収障害
2.ガスの通過・排泄障害
3.ガス生成の亢進
4.飲み込む空気量の増加
お腹のハリが気になる場面ごとに、考えられる原因をあげていきます。どのような場面でハリを感じることが多いのか確認して、対策につなげていきましょう。
慢性的におなかのハリを感じる人や、緊張やストレスとは無関係におなかの張りを感じる人
◆便秘によるガスの通過・排泄障害(2)
◆食べたり飲んだりするときの一口が多かったり、早食いだったり、よく噛まなかったりすることで、空気を飲み込む量が多くなってしまうこと(4)
などが考えられます。
特にアスリートは食事量が多かったり、練習や試合の時間に間に合わせようと食事時間が短くなってしまったりするシーンも見受けられるため、「空気の飲み込み」が原因となっている可能性が考えられます。(4)
食事の内容によっておなかのハリを感じる人
◆ガスの発生しやすいものを過剰に食べている
◆食事内容によって腸内細菌のバランスが乱れ、悪玉菌の増加によってガスの発生が一時的に増えてしまっている
などが考えられます。(3)
試合前など緊張している時におなかのハリを感じやすい人
◆ストレスによって胃腸の動きが低下し、腸内に溜まったガスを排出することができていない
ことが考えられます。
また、ストレスがかかると唾を飲み込む回数が増え、空気も一緒に飲み込んでしまうため、おなかのハリを強めてしまいます。(1・2・4)
予防と対策
便秘を予防しよう
便秘が続くとガスの排泄を止めてしまい、腸内にガスが溜まるためおなかのハリを感じる原因となります。
便秘の予防と対策についてまとめた記事を参考にしてみてください。
食べ方を見直そう
口がパンパンになるようなほおばり方をしていませんか?
食べ物を噛む時に口が開いていませんか?
飲み込むまでに何回噛んでいるでしょうか?
食事の量にもよりますが、1食あたり最低15分、できれば20分以上時間をかけて、よく噛んで食べるようにしましょう。
また、話しながら食べると口が開き、飲み込む空気の量が増えてしまいます。
チームメイトや家族と食事を楽しむことは良いことですが、食べ物を口の中に持っている間は聞き手になって、自分が話すのは食べ物を飲み込んでからにしましょう。
食事内容を見直そう
腸内細菌のバランスを乱し、悪玉菌を増やしてしまう原因の一つとして動物性タンパク質と飽和脂肪酸の摂りすぎが考えられます。
肉ばかりにならないように、魚や豆腐・納豆などの大豆製品も取り入れて、タンパク源の食材のバランスを見直しましょう。
一方で、腸内環境を整えるには良いとされている食物繊維やオリゴ糖なども、人によってはガスを異常発生させる原因となる場合があります。
個人差も大きいので、思い当たる節のある人は、試合前の食物繊維摂取量は普段通りにし、蒸す・煮るなどして繊維を柔らかくしてから食べる。(普段通りでも張りを感じる場合は減らす)
など工夫をしてみてください。
リラックス法を見つけよう
緊張したり、ストレスがかかったりしている状態は、空気を飲み込むばかりで、うまく吐くことが出来ていない可能性が高いです。
「吐く」方に意識を持って深呼吸をしたり、息を十分に「吐きながら」ストレッチをしたりするなど、緊張状態を緩和できるように自分自身をサポートしてみてください。
まとめ
実は、私自身も「おなかのハリ」にはよく悩まされていました。
おなかのハリの解消はスポーツシーンにはもちろん、日常生活でもパフォーマンスを向上させてくれます。
自分に合った予防法、解消法を見つけて取り組んでみてくださいね。
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