「身長を伸ばしたい」「骨を強くしたい」
多くのアスリートからよく聞く言葉です。
カルシウムと言えば「骨」、そんなイメージの方が多いと思いますが、カルシウムはそれ以外の面でもアスリートにとってたくさんの重要な役割を担っています。
今回は強い骨作りだけでなく、ベストパフォーマンス発揮のためにも大切なカルシウムをテーマに、2つのポイントについてお話をしていきます!
2つのポイント
◆運動とカルシウムの関係
◆効率よく食事からカルシウムを摂取するポイント
運動とカルシウムの関係
【1】体内の分布
カルシウムは体重の1~2%が体内に存在しています。このうち99%は骨と歯の構成成分です。そして残りの1%が血液や筋肉などの組織にあり、出血時の止血や、神経・筋肉の運動などに関与しています。
骨だけでなく、食べ物を噛む咀嚼に使う歯や神経・筋肉の運動に必要ということからアスリートにとって重要なミネラルであることがわかりますね!
【2】アスリートとカルシウム
アスリートがカルシウムを多く必要・消費する理由は次の通りです。
◆骨の形成
◆神経や筋肉の運動に必要
◆発汗による損失が増える
では「骨」と「神経・筋肉運動」それぞれについて詳しく見てみましょう!
◆骨
骨も他の細胞などと同様、形成と吸収(破壊)が常に繰り返され、作りかえられています。
コンタクトスポーツなどは特に、骨を太く・強くして強い体を作ることも求められます。怪我を防ぐためにも大切なことですよね!
そのため骨の構成成分となるカルシウムが重要になってくるのです。これは多くの方がよく耳にする内容ではないでしょうか。
◆神経・筋肉の運動
筋肉が収縮するとき、筋細胞内の筋小胞体という部分でカルシウムイオンの出入りが起きています。
つまり、カルシウムイオンの移動によって筋肉が収縮・弛緩しています。
そのため運動を高強度・高頻度行なっているアスリートは消費しやすく、さらに、運動に伴う発汗でもカルシウムは失われてしまうため、これらを踏まえてカルシウム摂取量を考えなければなりません。
【3】必要量や代謝
一般成人のカルシウムの摂取基準は表の通りです。
前回お話しした「鉄」と同じですが、必要な量は個人差があるため、競技・種目や発汗量、環境(気候)、普段の食事量などをあわせて確認しましょう!
効率よく食事からカルシウムを摂取するポイント
【1】カルシウムを多く含む食材
カルシウムを多く含む代表的な食材は以下の通りです。
カルシウムを多く含む食品で牛乳がよく取り上げられます。カルシウムの摂取源はたくさんあるので牛乳が飲めない選手でも、上手に食事に組み合わせてみてください。
◆動物性食品
小魚などの魚介類、牛乳・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)
◆植物性食品
海藻、大豆・大豆製品(豆腐、納豆、おからなど)、小松菜、水菜、切り干し大根
【2】効果的な摂取方法
摂取したカルシウムが全て体内に吸収されるわけではありません。
そこで意識してほしい栄養素が「ビタミンD」です。
「ビタミンD」は腸管でのカルシウム吸収を助ける働きがあります。
先ほどご紹介した食材に、ビタミンDを多く含む次の食材を組み合わせることで吸収率アップをはかりましょう!
ビタミンDを多く含む食品
魚(イワシ、サンマ、サケなど)、しらす、きのこ類
次回は「カルシウム」のレシピ編です!
ビタミンDを多く含む食材との食べ合わせを意識したレシピもご紹介いたします!
お楽しみに!