前回の記事では、自律神経系の状態が、消化機能に関わっていることをお伝えしました。
前回の記事はこちら>>【練習後の食べられない状況を改善しよ】自律神経を意識した対策
今回は具体的に、食べられないと悩んでいる選手やリカバリーに悩んでいる選手が、食事をより活かす上でどのように消化・吸収のコンディショニングをすればよいのかを「生活習慣」に焦点を当てて、ご紹介していきます。
生活習慣と自律神経
自律神経系には身体がONの状態の時に優位になる交感神経と、身体がOFFの状態の時に優位になる副交感神経があります。
自律神経は外部環境からの刺激を受けて、自分の意思とは無関係に働きます。
つまり、生活習慣・生活リズムからも影響を受けるということです。
起きてから、寝るまで、食事を3食摂ることが基本的な1日の流れです。
そして、その日の活動(仕事、勉強、家事、トレーニングや練習・試合などのスポーツ活動など)が人それぞれ組み込まれます。
まずは、「起きる・食べる・寝る」のリズムと習慣を作り、整えるポイントについて見直してみましょう。
起床
「カーテンを開けて朝日を浴びる」
◆眼から光を取り込むことで、自律神経を整えるセロトニンというホルモンが分泌されます
曇りや雨でも同様です。天気が悪くても、夜のように真っ暗ということはありません。
太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされるため、活動と休息の切り替えのリズムも整いやすくなります。
朝食
「主食・主菜はマスト」
◆朝食で体内時計のリセット!
◆朝食を摂ることで体温が上がり、1日活動をするためのウォーミングアップに
特に、エネルギー源となる糖質を含む主食、体温上昇に欠かせないたんぱく質を含む主菜は必ず食べてほしいものです。
朝練がある人も、消化に負担がかかりにくいものを選んで、食べてから活動をスタートさせましょう。
昼食
「ゆっくりと、よく噛んで、美味しく」
◆昼食の時間で、自律神経のバランスを整えましょう
午前中、仕事をしたり、勉強をしたり、トレーニングしたりで、交感神経が優位になっています。強いストレスがかかって、交感神経がいつも以上に高ぶっていることもあるでしょう。
昼食は自律神経のバランスを整えるための絶好のタイミングです。仕事や勉強、トレーニングのことは引きずらず、最低20分は昼食のために時間を確保して昼の休憩を設けましょう。
夕食
「理想は就寝の3時間前」
◆睡眠を意識して、夕食の時間・内容を決めましょう
食べたものの内容にもよりますが、食べ物が胃から小腸へ移るまでの時間は、だいたい1〜3時間。夕方以降、身体はOFFの状態に向かいますが、胃に食べ物が残った状態では良質な睡眠をとることはできません。
良質な睡眠は自律神経のバランスを整えるカギとなります。
ただ、どうしても就寝3時間前に食事を摂れないという選手も沢山いるのが実情だと思います。この場合、環境を変えるのは難しいので、できるケアを行なっていきましょう!
こちらについては次回の記事でご紹介します!
就寝
「寝るための準備時間を設ける」
◆副交感神経を優位な状態にしてから眠りにつけるよう、準備しましょう
寝る直前まで運動をしている、パソコン仕事をしている、テレビを見ている、スマホをしている。これでは身体は興奮状態のまま、寝付けないか、眠れたとしても質の良い睡眠にはなりません。
寝る前2時間、難しい場合は寝る前30分でも構いません。液晶画面を見ずにストレッチをしたり、マッサージをしたり、日記をつけたり、静かにゆったりと過ごしましょう。
まとめ
消化・吸収のコンディショニングのために、まず重要となるのは「生活にリズムを作り、一定にすること」
どんなに良いものを食べても、身体の状態が整っていなければ身になりません。
練習やトレーニングの内容・強度に変化があったとしても、生活リズムを作るポイントを押さえることができれば、コンディショニングの強い支えとなります。
少しでも改善に取り組めるのが理想ですが、環境的に難しい学生アスリートや社会人アスリートが非常に多いのも事実です。
環境が変えられない場合は、その環境下で出来るケアを心がけることが大切です。
次回の記事では、ケアの方法をご紹介します!
お楽しみに!
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