強度の高いトレーニング、長時間にわたるトレーニングや練習の後、「リカバリーのために食事(補食)を摂らないと!!」「運動直後はゴールデンタイムだから!!」
と思っても、食欲が湧かず食事が進まなかったり、食べようと思っていた分を食べきれなかったり、それどころか食べ物をまったく受け付けなかったり・・・そんな経験ありませんか?
そこで、今回は自律神経をコントロールすることで、練習後の食事を改善する方法についてご紹介します。
身体で起こっていることを知ることで、自分自身の体に合わせて食事や補食のスケジュール決め、食事や補食の内容を選ぶためのヒントにしていただければと思います。
自立神経系と運動・消化吸収の関係
自律神経系とは血管や心臓などの循環器、胃や小腸などの消化器などあらゆる内部臓器を自分の意思とは無関係に調節し、私たちの身体の内部環境を整えてくれる役割を担っています。
自律神経系は
◆交感神経系
身体が「ON」の状態の時(活動時や日中)に活発
◆副交感神経系
身体が「OFF」の状態の時(安静(リラックス)時や夜間)に活発
の二つに分けられます。
この自律神経系の働きについて「運動」と「消化吸収」に焦点を当てて見ると
運動をしている時:交感神経が優位
消化器官が働く時:副交感神経が優位
交感神経系と副交感神経系は外部環境からの刺激を受けて必要に応じて切り替わりますが、この「切り替え能力」にはその時の心身の状態や普段の生活習慣が大きく関わっています。
運動直後という心身の状態を考えると、交感神経がまだ優位な状態であり、胃や小腸が十分に働くためにベストな状態とは言えません。
そのタイミングで無理やりたくさん食べてしまったり、消化に時間がかかるものを食べてしまったりすると、食べることが辛くなってしまう可能性は高くなります。
この観点で考えると、「トレーニングがハードであればあるほど」「練習時間が長ければ長いほど」消化器官がベストな状態で働くことができる時間は短くなるということです。
消化吸収機能が働きやすいように整えてあげよう
では、副交感神経が優位になるまで待っているしかないのか。トレーニング強度を落とすしかないのか。練習時間を短くするしかないのか。
そんなことはありません!
できることは大きく分けて2つあります。
【1】自律神経の切り替えを手助けする
副交感神経が優位になるのは安静(リラックス)時であるということは先述しましたね。
トレーニングや練習の後、クールダウンを十分に行い、呼吸を整えてあげましょう。「身体がリラックスした」という外的要因に反応して、副交感神経が優位になりやすくなります。
【2】消化への負担が小さい食事(補食)内容にする
タンパク質や脂質の多い食事(補食)、多すぎる食物繊維も消化に時間がかかり消化管への負担が大きくなります。
運動直後の補食は糖質を中心に補給し、タンパク質と脂質は過剰摂取に気をつけましょう。
◆おにぎりを選ぶなら
ツナマヨより「鮭」や「おかか」
◆パンを選ぶなら
クロワッサンより「食パン」や「ロールパン」
といった具合です。
補食を食べて、食事の時間になってもお腹の調子が本調子ではないなと感じる場合には、脂身の少ない肉や魚を選んだり、調理法は油の使用量が少ない煮物や蒸し物を選んだりしてみてください。
まとめ
自分の意識とは無関係に働く自律神経。
自分自身で自律神経を整える生活習慣にしていくこと。ふと気になった時だけでも構いません。
「今は交感神経が働いているかな?副交感神経が働いているかな?」と考えて、その時にあった行動、食事内容の工夫をしてみてくださいね。