以前の記事で「朝食を美味しく食べるためのウォーミングアップ習慣」をご紹介しました。
ウォーミングアップ週間を取り入れて、食べられるようになる人もいれば、それだけではなかなか難しい人ももちろんいると思います。食事内容にも工夫して、もう一歩食欲増進・消化吸収のサポートをしましょう。
これだけは!!必ず摂りたい栄養素
【朝食の役割】
◆エネルギーや栄養素を補給する
◆水分を補給する
◆体温を上げる
◆体内時計を整える など
朝食を食べる習慣がない人、食欲がなくてトースト1枚しか食べていない人が朝食を改善するとき、まず最低限食べて欲しいものは下記の二つです。
主食:ごはん、パン、もち、めん類、シリアルなど
→エネルギー補給を目的に主菜:肉、魚、卵、大豆製品を主材料としたおかず
→筋肉の合成を高め体温を上げる目的に
消化吸収を意識して何を食べるか決めるのであれば、主食は水分量が豊富なごはん、主菜は余計な油を使う揚げ物や炒め物、脂質の含有量が多い食材の使用を避けた主菜がおすすめです。
食欲増進をサポートする汁物
食欲がわかないという方にぜひ取り入れていただきたいものは汁物です。
【汁物のメリット】
◆水分補給ができる
◆具材が柔らかくなっているため食べやすく、消化吸収にも優れる
◆汁に流れ出た栄養素も摂取することができる
◆具材を工夫することで、主菜や副菜の要素を加えることができる
上記のメリットは食欲増進というよりも、食べやすさや消化吸収に配慮したものですが、食欲増進をサポートする効果ももちろんあります。
出汁の効果
鰹と昆布でとった出汁の摂取及び、香気(香り)の吸入によって心拍数低下と副交感神経活動の一過性上昇が認められたという報告があります。(1)
消化吸収がスムーズに行われるのは副交感神経が優位な状態の時です。
朝は食欲がなくて朝食を食べる量が少なく心配されている保護者の方も多くいらっしゃるかと思います。ぜひ、お子さんの起きてくる時間を見計らって食卓にお出しの香りを漂わせてみてください。
自炊をする方も、朝ご飯の準備はぜひお味噌汁からとりかかってみてください。
鰹と昆布でしっかり出汁を取るところから始めなくても、昆布だしは冷蔵庫にストックしておける水出し、鰹節は具として食べてしまえばO Kです。
スパイスを効かせたスープ
毎日お味噌汁は飽きるなぁという方には、スパイスを加えたスープもおすすめです。
香辛料(カレーパウダーとコンソメ)を含むスープの摂取により胃運動が増大する傾向にあるということが報告されています。(2)
食欲増進のために香辛料を使うことは様々なレシピサイトやコラムなどでも紹介されています。
カレーパウダーであればカレールウのように脂質の摂取量が増えてしまう心配もありません。スープの風味づけに、ぜひ活用してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
朝お腹が空いて目覚め、しっかりと朝食を食べてから1日をスタートできる!というのはとても理想的ですが、全ての人が急にそうなれるわけではありません。
朝食を食べることが苦痛になってしまわないように、工夫しながら改善していってみてくださいね。
■参考文献
(1) 森滝望,井上和生,山崎英恵 出汁がヒトの自律神経活動および精神疲労に及ぼす影響 日本栄養・食糧学会誌,71巻3号, 133-139,2018
(2) 永井 成美, 脇坂 しおり, 高木 絢加, 山口 光枝, 森谷 敏夫 香辛料を含むスープの摂取が胃運動と食欲に及ぼす作用 栄養学雑誌,Vol.70 No.1,17-27,2012
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