今回から、アスリートに知っておいてほしい栄養素をよくある質問と交えて6回のシリーズに分けてでお伝えしていきます。
アスリートあるあるかと思いますので、ぜひ読んでいただき今後の参考にしていただけると嬉しいです。
今回のテーマは「糖質」
糖質についてよく聞かれる質問と合わせて解説していきます。
質問1)「糖質ってやっぱりアスリートに必要ですか?」
結構聞かれるこの質問。
私の考え方は「YES」です。
今は糖質制限が流行していますが、糖質制限と運動パフォーマンスのエビデンスはまだ少なく、糖質制限を闇雲に行うのはリスクがあると考えています。
糖質は、身体を動かすエネルギー源です。
また身体だけでなく、脳のエネルギー源にもなるため、集中力や判断力といったアスリートにとって大切な部分を補ってくれます。
それを闇雲に制限するのは宜しいことではないです。
糖質を適切に摂取し、エネルギーに変えていければ、選手のパフォーマンスも安定してきます。
質問2)「どのくらい摂ればいいですか?」
よく聞くのが、
「とりあえず、タッパーにお米二合分つめてこい。チームの決まりだ」
「この大盛り茶碗のご飯を食べきらないと練習をさせない」
などチーム全体で食べる量のルールを決めること。
確かに一体感や忍耐力はつくかと思いますが、パフォーマンス、コンディションなどの視点からすると疑問が残ります。
そもそもその2合は、どの体格の選手に合わせているのでしょうか?その大盛りお茶碗のグラムはどこからきたのでしょうか?
素直な選手、成長期の選手に無理やり量を食べさせ続けるのは良くはないです。
2003年にIOCより発表されたアスリートの栄養摂取についてのコンセンサスによると、糖質は、
○運動後、すばやく(4時間以内)回復するために:1~1.2g/kg体重/時間
○回復期間が1日の場合:継続時間が中程度で低強度のトレーニング後:5~7g/kg体重/日
○回復期間が1日の場合:中~高強度の持久性運動:7~12g/kg体重/日
○回復期間が1日の場合:かなりハードな運動(運動時間4~6時間/日以上):10~12 g
または12g/kg体重/日以上
と記されています。
これはあくまでも一指標であり、ここから自分にあった量を食べながらみつけていくのが大事かと思います。
人によって体格も違えば、目的も違う。
糖質をただ摂っていればいいとうわけではありませんね。
質問3)「糖質であればなんでもいい?」
これは「NO」です。
基本的には、血糖値を緩やかにあげて、ゆっくり長くエネルギーがもつような食べ方が一番になります。
そのため、甘いお菓子や炭酸飲料など砂糖が多く入っているものではなく、ご飯やパンや麺のようにでんぷんの形で体に入ってくるようなものを積極的に食べていけると良いと思います。
砂糖を主な生活のエネルギー源として摂っていると血糖値の急上昇、急降下が激しいので、集中力の欠如や疲労感を感じやすいなど選手にとっては嫌なことが起こる頻度が高くなります。
糖質ならなんでもOKではなく、しっかり質を選んでいきましょう。
以上、よく聞かれる糖質あるあるでした!
ぜひ参考にして、日々の練習に役立てていきましょうね。