トレーニングの効果を最大限に高めるために、トレーニング直後の栄養補給(リカバリー)は重要です。
◆栄養補給の3つのポイント
「何を・What」
「どのタイミングで・When」
「どれだけ・How much」
前回のコラムでは、
「何を・what」
「どのタイミングで・When」
について要点を述べさせていただきました。
ご興味のある方はこちらをどうぞ☆
【リカバリーの質を高めよう!】海外のジムに学ぶ運動後の栄養補給!
今回は、
「どれだけ・How much」について
リカバリーに最も重要な栄養素である「糖質」を「どれだけ」摂るかをお伝えします。
糖質摂取の目安量は?
糖質は、身体の主要なエネルギー源です。
十分に摂取できていないと、エネルギー不足の状態となり、運動時のパフォーマンスを維持できなくなります。
スポーツの現場では、
選手やその親御さんから、
「しっかりご飯を食べているのですが、スタミナがなくて・・・」
などの相談を受けることがあります。
しっかりと、糖質源であるご飯を摂っているのに…ということですが、
ここでポイントとなるのが、「しっかり食べる」の基準です。
個人によってその量が異なりますので、国際的なガイドラインを参考に、目安量をお伝えします。
このガイドラインには、運動の内容別に、体重1㎏あたりの糖質摂取の目安量が示されています。
つまり、運動強度が高くなるほど、また、体重が大きくなるほど、糖質を多く摂ろう、ということです。
◆糖質摂取ガイドライン
(日常的な回復のためにパフォーマンスを調整する場合)
Burke LM et al, Carbohydrates for training and competition. J Sports Sci,2011より一部抜粋
ガイドラインを参考にシミュレーション!
では実際に、同じ内容のトレーニングを行っているが、体格の違うA選手(体重60㎏)とB選手(体重100㎏)の場合においてシミュレーションしてみましょう。
<例えば>
体重1㎏あたり7gの糖質が必要である場合(強化合宿時など中~高強度のトレーニング時)
●A選手(体重50㎏)
50(kg)×7(g)=350g
1日あたり350gの糖質が必要となります。
1日に摂取する糖質のうち、約8割をご飯から摂ると想定した場合(茶碗1杯150gに糖質は約55.7g)
(350g×0.8)÷55.7g ≒5
つまり、茶碗5杯分のご飯が必要となりますね。
●B選手の体重(体重80㎏)
80(kg)×7(g)=560g
の糖質が必要となります。
同様の計算によりご飯の量に換算すると、お茶碗に8杯!となりますね。
このように、同じトレーニングを行っている選手であっても、体重が50㎏と80㎏の選手では、必要な糖質量が異なります。
つまり、糖質の摂取量は、個人の状況、目標によって変える必要があります。
補足ですが、ご飯がちょっと苦手…という方は、それ以外の食品により、糖質を摂ればOKです。
◆糖質を高含有する食品例・糖質量
・餅1切れ・・・・・・・・27g
・食パン6枚切り1枚・・・28g
・ロールパン1個・・・・・15g
・スパゲティ1人分・・・・57g
・うどん1玉・・・・・・・55g
・コーンフレーク1食分・・33g
・バナナ1本・・・・・・・18g
・オレンジジュース・・・・22g
など
まとめ
ガイドラインはあくまでも目安量です。
自身の体重と体組成(体脂肪量、除脂肪量(筋肉量))の変化を日々確認し、自身に合った栄養補給計画を立てることが何より重要です。
次回は、急速なリカバリー時の糖質摂取量についても触れていきたいと思います!