スポーツ選手の食事と聞くと、「高炭水化物」、「高タンパク質」のイメージが強いかもしれません。
それでは、「脂質」については、どのように考えるべきでしょうか。
今回はアスリートにオススメな「脂質」の活用方法について確認していきましょう!
炭水化物・たんぱく質・脂質のエネルギー量
まず、炭水化物、たんぱく質、脂質の1gあたりのエネルギー量(kcal)ではどのような違いがあるのか、比較してみましょう。
・炭水化物…4kcal
・タンパク質…4kcal
・脂質…9kcal
脂質は、少量でたくさんのエネルギーが摂取できます。
つまり、脂質は少量で(カサが少なく)多くのエネルギーを摂取できるので、効率よくエネルギー補給を行えるのです。
そのため、身体づくりや筋肉量UPを目指す時など、しっかりエネルギーを摂取したい時には、「脂質を上手く利用する」という食事法もあります。
もちろん、余分なエネルギーは体内の脂肪細胞に「脂肪」として蓄積されてしまうので、摂りすぎには注意が必要です。(特に、減量などのウエイトコントロールが必要な選手など)。
しかし、脂質は体脂肪や体重を増やしてしまうというイメージが強く、極端に避ける人も多いですが、脂質の種類によっては、体脂肪がつきにくく、コンディショニングに役立つものもあります。
◎脂質の種類
下記の表の通り、脂質は、飽和脂肪酸(肉の脂など)と不飽和脂肪酸(魚油、オリーブオイルなど)に分類されます。
これらの中でも特に、不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸の摂取がオススメです。
◎オメガ3脂肪酸とは
オメガ3脂肪酸とは、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、α-リノレン酸などの総称で、魚、えごま油、亜麻仁油などに含まれています。
一般的にも、循環器疾患の予防、血圧低下、血中中性脂肪値の低下などの効果がみられ、健康に良い油、血液をサラサラにする油、として注目されてきました。
近年は、アスリートのパフォーマンス向上においても、注目が集まっています。
◆オメガ3脂肪酸の摂取により期待できる運動への効果
・最大酸素摂取量の増加
・運動時の心拍数抑制
・筋肉痛抑制
など
このように、持久力の向上や、筋肉のリカバリーに効果がみられることが明らかとなっています。
そのため、増量時など、効率よくエネルギー補給をしたい時などには、オメガ3脂肪酸を上手く利用すると良いでしょう。
オメガ3脂肪酸の上手な摂り方
最後に、食事によるオメガ3脂肪酸の上手な摂り方を紹介します。
・週に3~4回程度、魚(とくに青魚、鮭など)を食べる。
・あまに油やえごま油をドレッシングに混ぜたり、料理にかける。
※比較的、熱に弱い油であるので、出来上がった料理にかけましょう。
※いくら「良い油」と言っても、摂り過ぎはよくないので、1日に大さじ1~2杯程度までが良いでしょう。
ぜひ参考にして、脂質を上手く利用してくださいね。