アスリートに知っておいてほしい栄養素をよくある質問と交えて6回のシリーズに分けてお伝えしています。
アスリートあるあるかと思いますので、ぜひ読んでいただき今後の参考にしていただけると嬉しいです。
< 第2回 >
今回のテーマは「脂質」
アスリートに良く聞かれる「脂質」のことにテーマを絞ってお伝えします。
質問1)「脂質」ってあまり良くないですよね?
これが未だに多い一番の質問です。
これは私の結論は「NO」です。
だからと言って、いくら食べても良いというわけではないし、どの油も太らないというわけではないです。
油は「質」がとても大切になります。
アスリートであればしっかり「質」を理解しましょう。
脂肪酸は分類方法によって、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の大きく2つに分けられます。
◆飽和脂肪酸
溶ける温度が高く、室温では固体。体内で合成できる。
飽和脂肪酸は一般的に肉や乳製品に多く含まれる酸化しにくい油で、身体にとって重要なエネルギー源です。
飽和脂肪酸は、結合する炭素の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。
不足すると血管がもろくなるリスクなどありますが、摂り過ぎるとLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし、心筋梗塞、肥満、糖尿病を招く危険性があります。
最近では、ココナッツオイルやMTCオイルなど、長鎖に比べ消化吸収が早く、すぐにエネルギーとして使われ身体に蓄積されにくいとされている中鎖脂肪酸にも注目が集まっています。
◆不飽和脂肪酸
低い温度でも溶け、室温では液体。
不飽和脂肪酸はエネルギー源でもあり、身体の各種細胞膜の重要な構成成分です。
一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)と分けることができます。
一般的に飽和脂肪酸に比べ酸化しやすく、特に多価不飽和脂肪酸は加熱調理には向いていません。
・オメガ9系
(オリーブオイル、アルガンオイルなど)
・オメガ6系
(コーン油、ごま油など)
・オメガ3系
(亜麻仁油、えごま油、魚油など)
に分けることができます。
この中でどんな油を摂っていったら良いのか。
これはシンプルに身体で合成しにくい油を意識することです。
つまり、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)を意識すること。
ただ、オメガ6系のコーン油、ごま油などは結構手軽に摂れてしまう油なので、オメガ3系の亜麻仁油、えごま油、魚油を意識してほしいです。
オメガ3系には、アスリートにとって嬉しい役割がたくさん。
・最大酸素摂取量の増加
・運動時の心拍数抑制
・炎症抑制(筋肉の炎症やアレルギーなどの炎症を抑制)
などです。嬉しいですよね。
積極的に摂っていきましょう。
ただ熱に弱いので、加熱調理はお勧めしません。
熱を通さないにして摂取しましょう。
質問2)油を摂ると、体脂肪が増えますよね?
それは上記の質問が答えになります。
身体で合成できない油を意識的に摂って、それ以外のものは程よく。
揚げ物ばかりお菓子ばかり、お肉や乳製品ばかりなどを食べていたらそれは体脂肪になりやすいです。
気をつけましょう。
また、アスリートによくあるのは、体脂肪が低いほうが良いと思っている選手。
確かに身体が重くなってしまうような余計な脂肪がついてしまうのはあまりよくないです。
ただ、自分にとって必要な脂肪量は人によって違います。
体脂肪低い=パフォーマンスが上がるとは思わないようにしておきましょう。
以上、油の理解をしっかり深めて、味方にしていくとパフォーマンスはすごく安定しやすいです。
是非意識してみてください。