気温が30℃を超える日も増えてきました。水分補給を意識的に行っていることと思います。
皆さんは何のために水分補給をしていますか?
水分補給の質を高めるためには、汗の役割についても十分理解しておく必要があります。気温が高いこれからの季節、運動をすれば大量に汗をかいて体内の水分を失ってしまいます。
では、なぜ、汗を大量にかくのでしょう?
それは、「体温調節」に深く関わっています。
ということで、今回は「体温調節のための」という視点で水分補給について考えてみましょう。
汗と体温調節
暑い中激しい運動をすると、吹き出すように流れる汗。冬場であっても強度の高い運動をすれば汗がにじみ出ますよね。
運動をすると、糖質や脂質からエネルギーを作り出す過程でも、筋肉を収縮させる過程でも熱が発生し、体温を上昇させます。
体内で発生した熱が発散されることなく、体内に溜まってしまうと、体温はどんどん上昇し、運動を続けられないどころか、死に至ってしまいます。
そうならないようにするために、私たちの体には熱を発散されるための機能が備わっています。
そのうちの一つで、最も大切なのが汗をかく(発汗作用)ということです。
有効発汗と無効発汗
汗が体温を下げるシステムを説明します。
体内の水分を汗として体の表面(皮膚上)にだし、その水分が蒸発するときに気化熱が奪われて、体温が下がります。
このように、体温を低下させることができた発汗を有効発汗と言います。汗がひいてす〜っと肌寒く感じるというような経験はありませんか?
これはまさに、体から熱が奪われた証拠です。
一方で、汗が流れ落ちてしまったり、湿度が高いせいで汗が蒸発しにくかったりすることで、体温の低下効果を得られない発汗を無効発汗と言います。
体温調節における汗、大切なポイントは2つ
◆体温の上昇を食い止められるように、汗をかき続けられるようにしておくこと
◆無効発汗が起きやすい環境下では、放熱のサポートをする工夫をすること
汗をかき続けられるようにするために
汗が止まる、もしくは汗の量が減るという経験をしたことはありますか?
体重の3%の脱水で汗は止まってしまうため、運動前後での体重減少を2%で抑える必要があります。
◆運動前後の体重減少を2%以内に止める(体重測定の習慣化)
◆こまめな水分補給
◆ナトリウムなどのミネラル補給(自発的脱水の予防)
運動前後での体重減少を2%で抑えるために、自分に必要な水分の量は何Lなのか。
体重の記録・飲んだ水分の量を記録し、比較しながら自分に必要な水分量の目安を把握しましょう。
放熱サポートの工夫
無効発汗が起きやすい環境、状況では、放熱をサポートするためのアクションが必要です。
◆5〜15℃に冷えたドリンク(状況に応じてスラリーアイスの活用なども検討)
◆速乾性ウエアの着用、着替え
◆冷えた濡れタオルやおしぼりを活用(汗を拭く、首の後ろや脇の下などを冷やす)
汗を拭き取ってしまうことは蒸発を妨げているのではないか?とも思われるかもしれませんが、大量の汗が蒸発もできず、体表面を冷やすこともできない状況は危険です。
冷たい濡れタオルの活用で、体表面を冷やすことができ体温の上昇を防ぐことにつながります。
まとめ
いかがでしたか?
水分補給とあわせて、汗の管理を行うことで体温調節をサポートし、パフォーマンスの低下を防ぎます。
設備が整ったチームや施設であれば、プレクーリングやアイスバスの活用などもあるかもしれませんが、施設や設備に頼らなくてもできることはあります。
来たる夏にむけて、水分補給プラスアルファにも取り組んでみてくださいね。
■関連記事はこちら