健康維持・増進または運動パフォーマンスの向上において栄養が重要であることはもはや常識となりました。
しかし、食事より体内に取り入れた栄養は腸から吸収されるため、真の栄養状態は腸の状態で決まると言っても過言ではないでしょう。
腸の状態を知る最も簡単な方法が「便を観察する」ことです。
まさにその漢字の通り、便は身体の「便り」なのです。
そこで、今回は、「便」から「腸」の状態を知る方法についてご紹介します!
そもそも便は「何で」できているの?
食べ物は、口の中で噛み砕かれ、食道を通り胃に到達します。
胃では、消化酵素のはたらきでさらに細かく分解され、腸に送られます。
腸の主な役割は「栄養の吸収」です。私たちが食べたものの栄養素は、腸から吸収され、その残りカスが便として排泄されるのです。
便には「腸」の情報がたくさんつまっている
皆さんは、便をまじまじと見たことがありますか?
その日の食事内容や生活習慣によって、便の色、形、かたさ、臭いなどが変化します。そして、便を見れば、ある程度、腸の状態が把握できます。
腸が健康であれば、バナナ状の固形便になることが多いですが、水分が少ないと硬くてコロコロした便になり、逆に水分が多いとゆるい便になります。
便のかたさに違いが出るのは、栄養素の吸収スピードに左右されるためです。
腸での通過時間が長い場合は、水分を奪われた硬い便(便秘気味)に、逆の場合はゆるめの水様便(下痢便)になります。
便のかたちと硬さに注目!国際的基準で便の状態を把握する方法
イギリスのブリストル大学によって発表された『ブリストルスケール』では、便の形状を7段階で示し、便のチェックにおいて広く活用されています。
日々のコンディショニングや健康管理のためにも活用しやすいツ―ルです。
【判断基準】
◆スケール1・ 2
腸での停滞時間が長く硬い便であり「便秘」と判断されます。
◆スケール3・4・5
正常便と判断されます。特に「 4 」のバナナ状が理想便です。
◆スケール6・ 7
腸での停滞時間が短く軟便であり「下痢」と判断されます。
また、1日の便の量はバナナ便1.5本~2本分ぐらい(150~200g)が目安となりますが、食事の内容によって変わります。
毎日の食事量が多いアスリートなどでは、1日に3~5回くらい便が出る方もいらっしゃるかもしれません。
前述した通り、便のかたさは「栄養素の吸収のスピード」に左右されるため、4のバナナ便なら、食べたものがまずまず吸収されていると考えられますが、6・7あたりの水様便が続くようなら注意が必要です。
水様便が続く時は、せっかく沢山食べていても、栄養素が腸からしっかり吸収されていない可能性があります。
その時は、一度、自分の食生活を見直してみると良いかもしれませんね。
早速、自分の「便り」を基に、腸のコンディションをチェックしてみましょう!