食トレでカラダを大きくする重要性
野球選手をはじめアスリートにとって、カラダを大きくすることは、パフォーマンスの向上には欠かせません。
なぜなら体重および除脂肪体重(LMB)の増加が、投球速度やスイング速度などパフォーマンスの向上には、必要不可欠であることが近年研究で明らかになっているからです。
つまり、除脂肪体重がパフォーマンスに比例することから、速く投げたい、もっと飛ばしたいと思っているプロ野球選手やジュニアアスリートはカラダを大きくする必要性を強く感じています。
長年、野球指導の現場ではカラダを大きくするために「とにかく食べて、とにかく大きくする。」と、少々無茶な食事指導が行われてきました。選手がよくやってしまいがちなのは、食事で補えないのなら不足しがちな栄養素をサプリメントであれこれ補おうとすることです。しかし、一生懸命摂っても思うような成果が出ないと感じている選手や親御さんも多いと思います。
カラダを大きくしたいアスリートがぶつかる壁
✅タンパク質や栄養素を積極的に摂っても効果が出ない
✅ハードな練習で食欲が低下する
✅朝起きた時に、カラダが疲れている
✅朝食をしっかり食べられない
✅食が細くて食べられない
食トレの壁を乗り越えるために必要なもの
必要なのは、本当に栄養素ですか?
食べたものでカラダは作られるのではなく、吸収したものでカラダは作られています。
消化吸収ができてないカラダは、いくら食事量を増やしてもカラダづくりで結果を出せません。
「とにかく食べて大きくする」は、ハードなトレーニングで疲労したカラダや内臓に、さらに負荷をかけることもあります。カラダを大きくするために、栄養素を足し算するだけでなく、カラダの環境を整えて、食事を最大限に生かすために「消化吸収」を意識した取り組みが大切です。
といっても、個人の体質、部活で夕食が遅くなるなどライフスタイルによっても、「消化吸収」に差が出るのは容易に想像できます。
プロのアスリートは数年前から、自分に合った消化吸収の取り組みを始めています。
・咀嚼をしっかりし内臓に負担をかけないよう心がけるのも手軽な消化方法の1つです。
・分食で小まめに食事をするのもスポーツの現場では当たり前になっています。
以上のような行動だけでなく、もう一歩踏み込んだ「消化吸収」の取り組みとして
鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究センターにて、2020年冬期、2021年夏期に効果検証をしています。
研究結果
体重や除脂肪体重が減少しやすい夏場に、取り組みを行なったグループで体重と除脂肪体重の増加が確認できました。
また、取り組みを行わなかったグループは夏場の体重と除脂肪体重が研究開始前より減少する結果となりました。
さらに、内省報告でも非常に興味深い内容が確認できます。
内省報告
内省報告によると約75%の選手が効果を感じており、朝の目覚めのタイミングに体感しています。
感想コメント良い点
・食べる量が増えた
・お腹が空く、食欲が増す(特に朝)
・寝つきが良くなった
・便通が良くなった
感想コメント悪い点
・お腹が緩くなった(少数)
・摂取期間終了後、食欲がなくなった
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まとめ
・野球選手は、パフォーマンス向上のためにカラダ(除脂肪体重)を大きくする必要がある。
・「とにかく食べて大きくする」は、カラダに負担がかかる。
・食トレで思うような結果が出ないなら栄養素ではなく「消化吸収」を重視して行動しよう。
・大学野球で実施した研究結果をもとに「消化吸収」をもう少し深掘りしよう。
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参考文献
仙台大学紀要,2021年 小野寺和也 白坂牧人 森本吉謙 入澤裕樹 大学野球における除脂肪量・体脂肪量とスイング速度の関係
野球選手における競技レベルによる打球速度の差異 研究代表者 鈴木智晴(鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究センター)メンバー 藤井雅文(鹿屋体育大学),2021年
スポーツ科学研究,2006年 勝亦陽一 長谷川伸 川上泰雄 福永哲夫 投球速度と筋力および筋量の関係
株式会社サモリットの酵素サプリメントの摂取が大学野球選手の身体組成に及ぼす効果 . 藤井雅文1)、中出寛省2)、鈴木智晴3)、前田明3)、1)鹿屋体育大学、2)株式会社サモリット、3)鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究センター,2021年
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