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【エネルギーをつくり出す栄養素】大切なのはバランスだけ?
2020.09.28(更新日2021.08.17)

「エネルギー産生栄養素バランス」または「P F Cバランス」という言葉をご存知ですか?
バランスというだげあって、整っていた方がいいものだろう。ということはイメージしていただけるかなと思います。

エネルギー産生栄養素バランスとは何かについて理解し、どのように捉え、活用すべきかを考えてみていただけたらと思います。

 

エネルギー産生栄養素バランスとは

エネルギーを作り出す栄養素たんぱく質・脂質・炭水化物の3つです。

エネルギー産生栄養素バランスとは1日に摂るエネルギー量を100%としたときに、エネルギー源となる3つの栄養素を何%ずつ摂ることが望ましいかを示したものです。

以前はP F Cバランスと言われていましたが、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から、生活習慣病やその重症化を予防する目的で、エネルギー産生栄養素バランスに名称が変更されました。

ちなみに、P F Cとは

P・・・ Protein(たんぱく質)

F・・・Fat(脂質)

C・・・Carbohydrate(炭水化物)

エネルギー源になる3つの栄養素の頭文字です。

エネルギー産生栄養素バランス(% エネルギー)※男女共通(妊婦・授乳婦除く)

※日本人の食事摂取基準2020年版より

 

バランスが整っていればOK?

食事内容の良し悪しを3つの栄養素の量のバランスだけで判定していいのでしょうか。

日本食事摂取基準2020年版ではエネルギー産生栄養素バランスをまとめた表に6つの注釈が記載されています。

そのうち、アスリートやジュニアアスリートにとって重要なものを4点抜粋します。

 

1)必要なエネルギー量を確保した上でのバランスにすること。

例えば、必要エネルギー量が3,000kcalの人が、1,500kcalでエネルギー産生栄養素バランスを整えたとしても、エネルギー量も各養素量も満たされていないため、体重が落ちる、パフォーマンスが低下するということが起こります。

逆に、必要エネルギー量が2,000kcalの人がバランスは整えているからと3,000kcal摂取していると、体重が増えてしまいます。

自分のカラダ、活動量に見合った必要エネルギー量でエネルギー産生栄養素のバランスを整えることが大切です。

 

2)範囲に関しては、おおむねの値を示したものであり、弾力的に運用すること。

アスリートの食事を考えるとき、競技特性やカラダ作りの時期などによって、たんぱく質・脂質・糖質の摂取量、バランスは変わります。

食事摂取基準として設定されている数値から逸脱していたとしても、目的に合っており、大きな健康リスクを抱えるような設定になっていなければ大丈夫です。

バランスに不安を感じたら管理栄養士や公認スポーツ栄養士に相談してください。

 

3)脂質については、その構成成分である飽和脂肪酸など、質への配慮を十分に行う必要がある。

脂の質については、健康のためにもコンディショニングのためにも重要です。

食事摂取基準にも飽和脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸の食事摂取基準がそれぞれ定められています。

ファストフードなどでも、エネルギー産生栄養素バランスは整っていると表示されているものもありますが、脂質を構成する脂肪酸の内訳にも注意しておきましょう。

 

4)食物繊維の目標量を十分に注意すること。

炭水化物には糖質と食物繊維が含まれます。

白米、雑穀、薄力粉、全粒粉、果物、砂糖、蜂蜜、etc...以上は全て炭水化物が主成分ですが、糖質と食物繊維の含有量のバランスには差があります。

選び方によっては食物繊維が不足してしまう可能性もあります。

食物繊維は腸内環境を整えるためにも、血糖値のコントロールにも重要です。

脂質同様、炭水化物の質にも注意しておきましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

エネルギー産生栄養素バランスを整えることは重要です。しかし、たんぱく質、脂質、炭水化物の量のバランスさえ整っていればO Kというわけではありません。

日々のコンディショニングのためにも、食事量を満たし、それぞれの栄養素の「質」にも配慮しながらバランスを整えられるように工夫してみてくださいね。

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乳井 優生

2015年管理栄養士免許取得/株式会社東急スポーツオアシス/2016年株式会社イースウェア(料理教室主催、スポーツ栄養講習、栄養相談など)/2017年市立砺波総合病院(公認スポーツ栄養士養成課程受講開始)/2019年10月公認スポーツ栄養士登録/2020年〜フリーランスとして活動。レシピ執筆、記事監修、コラム執筆、スポーツ栄養講習、スポーツ栄養マネジメント、カウンセリングなどを行う。
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