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アスリートにとって「食事」はストレス!?現場で感じる現状と対策とは?
2019.06.10(更新日2021.04.13)

アスリートは、様々なストレスを抱えています。

 

過度な運動も身体にとってはストレスになりますし、日々の緊張感やプレッシャーも、運動する上での紫外線もすべては身体にとってストレスです。

 

このストレスが溜まり、コンディションを崩す選手を何人もみてきましたし、そのストレスをうまくコントロールできる選手は長く活躍しているなと思います。

 

その中で「食事」をストレスと感じている選手も多いです。

食べるのが元から好きな選手は、練習をして、その分しっかり食べるということがナチュラルにできるので、そういった悩みには直面しないと思います。

 

ただ毎日「体重を軽くしろ」と言われ続けていた選手や、逆に「1日8食決まった量を食べて身体を大きくしろ」と言われ続けた選手は、食事をストレスとも感じているでしょう。

 

そんな選手たちと関わる中で感じたことや、どう打破したかを今回は体験ベースで話します。

なにかの参考になると幸いです。

 

1)どんな選手たちがいるのか

先ほど述べたように、食事の悩みは両極端。

 

審美系のスポーツや陸上競技のように「痩せている」「身体が軽い」そういったことを求められる選手

毎日体重測定があり、何グラム単位で監督やコーチから指示されている選手もいます。

 

ひどい選手は、厳しい体重制限などが原因で、食事をすると、不安を感じ、食べては吐くの繰り返し。

摂食障害になるケースも珍しくないです。

月経も止まり、疲労骨折など怪我が絶えないなどの悩みにも直面します。

 

野球やラグビーなどの部活に多いのは、とにかく「食べろ」の指導。

大盛りご飯を食べて30分もせずに練習開始。

気持ち悪くて、吐く。

そんなサイクルの毎日です。

その結果、吐くことが癖になり、練習や試合のたびに吐き気を我慢しながらプレーをすることばかりになる選手もいます。

 

2)どんな対策をとったか

人それぞれ背景も違えば、対策も違うと思います。

その中で思うのが「誰かに相談してほしい」ということ。

 

ケース1

ある陸上競技選手は、食事をするのが怖いと悩んでおり、親御さんにこのことを相談し、ネットで調べて、私のところに相談しにきてくれました。

 

その子の状態は、

・エネルギー不足

・無月経(約2年以上)

・貧血

・昨シーズン 疲労骨折3回

明らかなエネルギー、栄養素の不足が見られました。

 

「その中でよく頑張ったね。そしてよく相談にきてくれたね。」

と伝えると、涙が止まりませんでした。

 

そこから監督やコーチと私がお話させて頂き、産婦人科でも最適な治療をしていただき、現在は、しっかり食事をして、生理もコントロールしながら日々練習ができています。

 

疲労骨折も絶えず、自分を責める毎日でしたが、食べて、骨に必要な栄養素を摂ることや、月経をおこすこと、骨を守ることなどを少しずつ頭で理解して、落とし込んで、納得していってくれました。

 

無理に食べさせるのではなく、必要な知識をしっかり伝えて、そのうえで、今の自分にできる無理ない選択を一緒に考えて、継続していきました。

 

ケース2

ある野球部の選手も勇気を振り絞って、メッセージをくれました。

 

そこから監督やコーチと話して、監督より「無理して食べなくてもよい」という言葉を聞けただけで、だいぶ吐き気や気分のムラなどの症状が落ち着いたとのことでした。

 

1回に食べようとせず、食べきれなかったら、補食で食べようという考えに変えたり、今日は無理に食べず、あえて内臓を休めようという考えに変えたりと、「ただ食べる」といった考えから抜け出せました。

 

今はコンディションが安定して、すごく調子がいいとメッセージをくれます。

 

まとめ

ストレスには、こんな栄養素がいいよという情報も大切ですが、こういった背景があると、この問題を解決しない限り、栄養素を身体に入れて、吸収して活かすことができないですね。

 

「困っている」ということを意思表示してみてください。

 

こうやって食事をストレスと感じて悩んでいる選手は一人ではないです。

アスリートは1日に何回も食事に向き合います。

1日3食以上する場合は、年間1000回以上食事と向き合うことになるのです。

 

どんな食事をしたらよいか、どんな栄養素を摂った方がいいかの前に、こういった悩みを抱えた選手の背中を押せたら幸いです。

 

sato

悩みは抱え込まずに、相談してくださいね。

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中央大学競泳部/HONDA(実業団チーム) ソフトボール/東光教育センター競泳/チーム今治サッカー/東京朝鮮高校ラグビー/武蔵大学アメリカンフットボール/その他、陸上長距離選手、ダンサー、野球選手など様々な方の個人栄養サポート。 パーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動をしている。
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