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【暑熱対策における水分補給~ドリンクの量・飲み方について考える~】
2022.08.31

 

暑熱対策では、適切な水分補給が非常に重要です。

水分補給は、水分の「種類」「量」「飲み方」がポイントとなります。

 

前回のコラムでは、ドリンクの「種類」についてでした。

記事はこちら>>>【暑熱対策における水分補給~ドリンクの種類について考える~】

 

今回は、ドリンクの「量」と「飲み方」に焦点を当てて、補足をさせていただきます。

 

◆量:どれくらい補給すればいいのか?

①体重の減少率から判断する

運動前後で測定して、体重の1%以上(例: 体重50㎏の人であれば500g以上)が減少していたら脱水の疑いがあります。

特に体重の2%以上の脱水においては、運動パフォーマンスが低下する可能性が高いです。

そのため、脱水の疑いがある場合は、運動時(難しければ運動前後)に積極的な水分補給が必要です。

 

また、日常的に起床直後の体重をモニタリングしておくのも良い方法です。

日々の体重変動を確認しながら、1日の水分の補給量を考えることができるでしょう。

昨日の朝よりも明らかに体重が減っていれば、脱水している可能性があります。

 

※体重測定のポイント

・排尿を済ませて

・できるだけウエアを脱いた状態で(下着のみなど)

・からだに付着した汗をしっかり拭いてから

 

 

②尿の色から判断する

尿の色を観察し、濃い黄色~茶であれば脱水のリスクがありますので、より積極的な水分補給を行いましょう。

 

 

③喉の渇きから判断する

喉が渇いていたら既に脱水している可能性が高いです。

喉の渇きを感じる前の水分補給を心がけましょう。

※補足

ドリンクから十分な水分が補給できない場合もあるかと思います。

その場合、特に夏場などの汗をよくかく時期には、食事から意識して水分とミネラルを摂るようにしましょう。

 

 

◆飲み方:どのくらい、どのように飲めばいいの?

①こまめに飲む

一気に多量の水を飲むと、吸収されずに胃内に残ってしまいます。

そのため、こまめな水分補給が重要です。

運動・トレーニング中には、15分おきに100~200mlを目安に補給すると良いでしょう。

そして、日常的にも、こまめな水分補給を心がけましょう。

 

 

②やや冷たい温度がおすすめ

ドリンクの温度は水分の吸収速度に影響します。

25℃以上よりも、5~15℃程度の少し冷たい温度の方が吸収率は高くなることが報告されています。

しかし、あまり冷たすぎるとお腹を冷やしてしまう恐れがありますので、515℃を目安に準備できると良いでしょう。

 

 

 

引用文献

International Olympic Committee (IOC), Nutrition for Athletes, 2016

 

 

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河村亜希

・管理栄養士・公認スポーツ栄養士・IOC Diploma in Sports Nutrition・オーストラリア国立スポーツセンター(AIS)アシスタントスタッフ(2016年~)・全日本スキー連盟ハイパフォーマンスサポートスタッフ(2016~2018年)・日本バレーボール協会 医科学スタッフ(2017~2021年)・日本スケート連盟フィギュアスケート部医科学スタッフ(2020年~現在)などの日本代表チームに対する栄養サポート経験等を経て、現在は大学で研究活動にも取り組んでいる。
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