一般の方から、アスリートの方まで、食べても体重が増えない、体が大きくならない、と言う悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
特にスポーツをしている選手やアスリートは、体重や体の大きさが直接パフォーマンスやコンディションに影響を及ぼすため、重要な課題や目標として定めている選手も多いと思います。
一方で、「どんなに食べても大きくならない」「もう限界まで食事量を増やしている」という人も多く、食事量を増やせば体重が増え、体が大きくなると思っていたのにそうならない現実に悩んでいます。
「もうこれ以上、食べる量を増やすのはムリだ」と思っている人もいると思います。
そんな体重が増えない選手(ハードゲイナーな選手)に、この記事では食事量を増やすこと以外で体重を増やしていく方法についてご紹介します。
この記事では、きっちりと食べてるけど体重が増えないという方を対象にお話をしていきます。
食べても体重が増えない、体が大きくならない原因
まず初めに、食べているにもかかわらず、体重が増えない、体が大きくならない原因の1つに消化吸収能力が足りていない故に、栄養不足になっている。ということが考えられますので解説します。
消化吸収能力が足りていない
現代は飽食の時代と言われており、食べるものが溢れており、いつでもどこでも食べるものが手に入る時代になりました。
しかし、驚くべきは、栄養不足の人が発生していると言う事です。飽食の時代にもかかわらずです。
栄養の血液検査を行なっているとあるクリニックでは、栄養不足の原因の1つとして消化吸収能力の不足があげられると言います。
どういうことかというと、必要な量の食事を摂っていたとしても、消化吸収能力が不足していることで、結果的に食べたものを消化し、栄養素を体内に吸収することができず、体内で使える栄養素量が不足している栄養不足状態になっているということです。(1)
そう考えると、頑張ってご飯を食べているのに体重が増えない、体が大きくならないと言う原因の1つとして、消化吸収能力が足りていないことが原因の1になり得ることが想像できたと思います。
消化吸収能力を高める方法【ポイント4つ】
それでは、消化吸収に課題があるとした場合に、摂取した食べ物から、栄養素を体内に取り込むために消化吸収能力を高める具体的な方法についてご紹介していきます。
(1)食事回数を増やす(分食)
食事量を増やしたいからといって、1回で大量にどか食いをするのは効果的な栄養摂取につながりません。
例えば
たんぱく質が1回の食事で吸収・利用される量には約20~25gという限界があると言われていますので、1回の食事でそれ以上のタンパク質を摂ったとしても体づくりに利用される可能性は低くなります。(2)
また、大量に摂取することで、消化器官が消化不良を起こし、うまく消化できずに栄養吸収につなげることができないばかりか、栄養吸収に欠かせない腸内環境の状態を悪化させる要因にもなりかねません。
できる限り、食事を分けて、1日の中で摂取する回数を増やす取り組みをしてみましょう。
(2)咀嚼を意識する
消化をよくする方法としてもっとも簡単な方法が、しっかりと咀嚼(よく噛んで)食べることです。
早食いであまり噛まずに飲み込むように食べる人は、体内で食べ物を消化する作業に時間と労力を要してしまいます。
おすすめとしては
1口につき30回程度噛んでから飲み込みましょう。しかし、毎回30回噛んでいると食事が進まなくなるので、初めの何口かを意識的に咀嚼する習慣を取り入れたり、硬いお肉などの時は意識的に咀嚼量を増やすなど工夫してみましょう。
(3)調理を工夫する
咀嚼だけでなく、調理方法でも消化しやすい形状に調理することで、体の消化負担を減らし、消化しやすい食べ物にすることができます。
例えば
ご飯ではなく、お粥にしたり、うどんを長めに茹でて柔らかくしたり、お肉や野菜もスープにして煮込んで柔らかくすることで、消化に優しく、消化しやすい形状で栄養を摂取することができます。
(4)食事の組み合わせを意識する
消化をサポートする酵素を含んだ食材を取り入れることで、消化サポートを行なっていきます。
例えば
お肉を食べる際には、タンパク質の消化酵素が含まれているパイナップルやキュウイフルーツ、イチジク、生姜、などを食べ合わせるようにします。
ブラジルの郷土料理でシュラスコというお肉をたくさん食べる料理がありますが、シュラスコで必ずカットパイナップルが出てくるのは、パイナップルの消化酵素を活用してお肉の消化をサポートする意味があります。
日本でも、昔から焼き魚の横に大根おろしを添えるのは、大根おろしに含まれる消化酵素がお魚の消化をサポートしてくれると言う意味でとても理にかなった組み合わせです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
体重が増えない、体が大きくならないと言う悩みを抱えている選手は、「もっと食べなきゃ」「もっと食べなきゃ」と、プレッシャーをかけられたり、自分で自分を追い詰めたりしがちです。
私のアドバイザーとしての経験ベースの話ですが、無理に食べるのではなく、消化をサポートする取り組みを行いながらも、食べる量は少し減らしたにも関わらず、体重や体つきに変化が出始めたケースがあります。ただ単に、量を食べれば良いという問題ではないことが良くわかる経験談です。
食べる量も大切ですが、「食べる量=体が大きくなる」ではない!ということは理解いただけたのではないでしょうか?この記事を読んで心当たりがあった方は是非、何か参考にしてみてください。
食事で苦しむ方が減り、食事を楽しむ人が増えることを願っています。
<参考資料>(1)「疲労が抜けないのは「食事量」が足りないんじゃなくて「消化量」が足りないのかもしれない」(https://www.athlete-collection.com/team-ac/kansei-nakade/eiyo-tariteinai-enzyme/ 閲覧日2021/04/22)
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