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【壁際を磨く(1)】フリップターン(クイックターン)
2018.12.06

アバター画像鉄人スイマー原英晃

ターン

    公開日:2018.12.06

     

    ターン動作の最大の目的は、壁を蹴ることによって“加速”を得ることにあります。足が壁に着いた時に、壁に力をしっかりと伝えられる姿勢、ポジションがとれているかを確認しましょう

    次に、そのポジションに素早く入るためには、どのように体をコントロールすればよいか。足を最短距離、最短時間で壁に着くことができれば、ターン動作の時間を短縮することができます。

    上半身と下半身、2つの回転を意識し、回転速度を上げることに取り組んでみましょう

     

    目次

    ①陸上横から見たポイント

    ②水中横から見たポイント

    ③水中真下から見たポイント

    ④陸上正面から見たポイント

     

    ①陸上横から見たポイント

    減速せずに壁に向かっていくことは大前提ですが、ターンに入る直前のワンストロークでしっかりと推進力を得ながら動作に入るようにします。

    気をつけの姿勢になり、頭を水中へ沈み込ませて、上半身を胸から丸めていきます(1つ目の回転)。

    この時にはまだ下半身はストリームライン(膝を曲げない)を維持するように意識します。

    腿の裏側にストレッチ感を少し感じてから、一気に膝を折りたたみます(2つ目の回転)。

    ふくらはぎを腿の裏にぶつけるくらいの気持ちで勢いよく曲げるようにしましょう。

    下半身が大回りせず、足が水面ギリギリを通って、最短距離、最短時間で壁に着地していることがわかります。

    体全体を一度に小さく丸めてしまうと、壁に足が届かなかったり、壁の近くまで泳いでから回ることが必要になったりと、効率の悪いターン動作になりやすいので注意しましょう。

    動画で動作を確認しましょう!

     

     

    ②水中横から見たポイント

    水上横で見た局面を水中横から確認して見ましょう。

    ターンに入る直前のワンストロークでしっかりと推進力を得ながら動作に入っていることがわかります。

    気をつけの姿勢になり、頭を水中へ沈み込ませ上半身を胸から丸めていきます。この時に下半身がまだストリームラインを維持している(膝が曲っていない)ことがわかります。

    長座体前屈をひっくり返したような姿勢になりますので、水中から水面方向に自分の膝を確認できるとよいでしょう。

    また、この上半身を丸め込んでいく局面で、手のひらで水を水底方向へ押さえて、回転の加速をサポートしながら体を安定させて、力強く蹴る準備へ繋げていきます

    腿の裏側にストレッチ感を少し感じつつ、一気に膝を折りたたんだら、足が爪先立ちの状態になるように、壁にぶつけて行きます。

    足が壁に着いた瞬間は、体が仰向けの状態で顔が水面を向き、頭から股関節のラインが真っ直ぐになっていること。また、足幅や膝・股関節が一番力の発揮しやすい、幅や角度になっているかを確認しましょう。

    回転動作中に体を捻り、横向きで壁に足を着く方法もありますが、足が壁に最短距離、最短時間で着くことを考えると、仰向けで壁に足を着く動作(背泳ぎのターンと同様)になります

    動画で動作を確認しましょう!

     

     

    ③水中真下から見たポイント

    水中横向きでも記述した通り、手のひらで水底へ向かって水を押さえることで、体を安定させて、回転動作をサポートしていることがわかります。

    また、足が腰の幅くらいで壁に着いていることがわかります。

    陸上で力強く、そして高くジャンプするためには、どのくらいの足幅で、膝や股関節の曲がり角度はどうか。そのような視点から考えて、水中で壁を蹴る動作にも応用するとよいでしょう。

    次に、壁を蹴りながら(壁に力を伝えながら)体を捻り、うつ伏せへ姿勢を変換していきます。

    壁を蹴り終わってから変換しようとすると、変換中に体が安定せず、姿勢変換が素早くできません。

    この姿勢変換が上手くできない、またはイメージできない場合は、陸上でジャンプから180度回転する動作を練習してみるとよいでしょう。

    動画で動作を確認しましょう!

     

     

    ④陸上正面から見たポイント

    これまで確認してきた動作を水中真上から確認して見ましょう。

    上半身が回転動作に入ったときには、まだ膝が曲がっていません。

    また、足を腰幅で壁に着くために、膝を畳んでいく時から、足幅を少し広げるようにします。

    足幅を広げるもう一つの理由は少しでも水の抵抗を減らし、ほんの僅かでも動作を素早くすることです。

    左右の脚がくっついていると、ふくらはぎで水をすくい上げるような状態となり、水の抵抗を受けます。僅かなものですが、脚の間から水を逃がすことで抵抗を感じず、素早く膝を折り畳むことに繋がります

    壁を蹴りながら体を捻り、うつ伏せへ姿勢を変換していきます。

    壁を蹴り終わってから変換しようとすると変換中に体が安定せず、姿勢変換が素早くできません

    この姿勢変換が上手くできない、またはイメージできない場合は、陸上でジャンプから180度回転の練習を行なうことをオススメします。

    壁を蹴った後、バタフライキックを打つなどして水面へ浮き上がっていきますが、姿勢変換が終わり、完全にうつ伏せの状態になってから水中バタフライキックを打つ方法と、姿勢変換の途中、体がうつ伏せ方向にやや傾いた状態から打ち始める方法があります。

    体が真横向きの状態での水中バタフライキックは、姿勢を安定させることが難しいので避けたほうがよいでしょう。

    動画で動作を確認しましょう!

     

     

     

    ※泳ぎの技術には諸説あり、アプローチの方法もいくつも存在します。このサイトで紹介した情報が全てではありませんので、予めご承知置きのうえ、参考にしていただけましたら幸いです。

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    元200m自由形日本記録保持者/元400m・800mリレー日本記録メンバー/1998年アジア大会金メダルリスト/2001年福岡世界選手権ファイナリスト/1993〜2015年まで23年連続日本選手権(2011年代表選考会を加算)に出場/40歳を過ぎた現在でも未だ日本の第一線で活躍中の鉄人スイマー/全国各地でスイムクリニックや研修会の講師を務め、ジュニアからマスターズスイマー、トップアスリートまで幅広く指導
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