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【疲労回復】栄養補給の質は高くなったはずなのに、疲労回復の質はなぜ低いのか?
2018.07.17(更新日2018.07.23)

 

「疲労回復にはどんな食品やサプリメントがオススメですか?」と聞かれることが良くあります。

 

今の時代、溢れるほどの食品やサプリが存在し、質の高い物、技術力のある物が、いつでもどこでも手に入れる事ができます。

 

でも、、、

疲労回復で悩んでいる選手は多い。

疲労回復に良いとされる栄養やサプリならいくらでも手に入る時代に疲労回復で悩むというのはなぜなんだろうか?

 

その答えが、ここ数年、選手としての経験とその後、仕事としてアスリートと携わっていく中で自分の中で1つの方向性が見えてきているように感じているので記事にしてみました。

 

回復の為に「食べろ」

僕が高校生の時、サッカーはまだ「走れるチームが勝つ」と言わんばかりにとにかく走らされた時代。野洲高校のセクシーフットボールで流れが変わり始める数年前の話。

 

ハードなトレーニングを日々こなし、終わったら「しっかりと飯を食う」こうして疲労を回復させて「体も大きくするんだ!」「無理やりでも口に詰め込め!」世間はそんな感じの風潮でした。(今もまだあるかも・・・)

 

そんな中で、疲労回復のために出来ることと言えば

練習後のクールダウンやストレッチ、マッサージなどに加え、しっかりと食事を食べる事、プロテインやサプリメントを用いて栄養を素早く補給する事。

それくらいでした。

 

 

あれから何年も月日が流れ、サッカーのスタイルも進化し、トレーニング方法やケア面での技術や環境も進んでいる。

 

もちろん、栄養面に関しても、栄養学を学べる機会も増え、知識量の増加や栄養補給に役立つサプリメントなどのアイテムも格段に増えた。

 

がしかし、、、

選手や現場の疲労回復に対する取り組みは「それほど変わっていないんじゃないか?」とここ数年、選手やチームスタッフと会話をしていて感じることがある。

 

進んだのは、取り巻く環境や使えるアイテムの技術であり、選手のレベルはあまり変わっていないのではないだろうか?

 

疲労回復について質問をすれば

昔の僕と同じような回答が返ってくることも少なくない。

練習後のクールダウンやストレッチ、マッサージなどに加えて自分で意識的に取り組める事と言えば、しっかりと食事を食べる事、プロテインやサプリメントを用いて栄養を素早く補給する事。

 

 

周りの環境レベルが高まっただけで、選手自身の体のレベルを高めていくことが欠けているのではないだろうか?

それは、知識レベルの問題ではなくて、自分の体や体質、体調と向き合うと言う、外向きではなく内向きの視点。

 

食べる物や使う物の質を高める前に、自分自身の質を見つめ直す

疲労回復に必要な食事やサプリメント、プロテインなどは栄養面で言えば非常に大切な要素で、この質によってもコンディションが大きく変わってくる。

 

とはいうものの、食事やサプリメントを生かすも殺すも、自分の体であることに目を向ける必要があると思う。

 

例えば、タンパク質を沢山とっても

タンパク質を体内に取り込む能力が低ければ、どれだけ質の良いタンパク質を摂ったところで意味がない。

 

せっかく良いものを食べても、それを自分の体が栄養として生かせなければ全く意味がないという事。

 

目の前にある食事やサプリメントなどのアイテムを自分がどれだけ生かす事ができる受け皿(食事を処理する能力)を持っているのか?

という自分の体との対話が大切なのではないだろうか。

 

疲労回復を考える3つのポイント

例えば、疲労回復に関しては、食べ物(外向き)ではなく、自分の体(内向き)の意識として、自分の体と向き合う3つのポイントを設けて考えている。

 

(1)栄養は摂り込めているのか?

タンパク質の例でご紹介したように、摂っているつもりでも体内に取り込めていなければ栄養は不足している可能性がある。どれだけ食べても栄養が不足していては、疲労は回復できない。

(2)内臓に疲労を与えていないか?

多量の栄養を摂ろうとするあまり、余計な疲労を体内に与えてしまっていないだろうか?肉体疲労同様、内臓面に疲労を与えてしまっては、疲労回復も本末転倒となりかねないと思う。

(3)睡眠の質は良いか?

疲労回復に欠かせない睡眠の質はどうだろうか?成長ホルモンがしっかりと分泌されるような良い睡眠を行う工夫は出来ているだろうか。

 

それぞれ、自分の体と会話するところに視点をおいて疲労回復に対して見つめ直してみることが大切なのではないでしょうか。

 

そうすれば、自分にはどんなケアが必要でどんなサプリメントやプロテインを活用すると良いのか?そんなヒントも生まれてくると思う。

 

まとめ

選手目線として、自分の体と向き合い、食べるものを選び、使いこなす能力を養っていくことも大切な要素だと思います。

 

トレーニングで自分の弱点を見つめ、カバーする方法を考えるように、自分自身の能力とアイテム(物)の能力、2つの側面の掛け合わせで疲労回復に対してアプローチし、考えていく事が疲労回復やパフォーマンスの質に差が生まれるのではないでしょうか。

 

疲労回復に対して「内向き」の意識を持って見直してみてはいかがでしょうか?

内向きの意識に関する記事を以下にまとめましたので参考にしてみてください。

最近感じていることはそんな事でした。

 

内向き3つのポイント

3つのポイントに関連する記事をこちらにご紹介しておきます。

(1)栄養は摂り込めているのか?

>>>疲労が抜けないのは「食事量」が足りないんじゃなくて「消化量」が足りないのかもしれない

(2)内臓に疲労を与えていないか?

>>>【疲労を回復させる技術】食事は体にダメージを与える

(3)睡眠の質は良いか?

>>>【疲労回復の強い味方!】睡眠の質を改善させる技術

 

<リカバリー関連記事>

>>>海外大手サプリメント企業からリカバリーについて相談を受けた話

>>>【食事による内臓疲労がコンディションを落とす】元日本代表スイマー

 

 

是非参考の1つにしてみてください。

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中出寛省

ACトレーニングコーディネーター株式会社サモリット
【選手実績】全国高校サッカー選手権大会ベスト16・関東大学サッカー1部リーグ【講演実績】高校サッカーチーム・ラグビートップリーグチーム・ゴールドジム・その他、多数トレーニングジム、チーム、団体
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